少年は誰なのか、74年たった今もわかっていません。その後、少年はどんな人生を歩んだのか。あの少年に会ったことがあると、今もさがし続ける男性がいます。 長崎市に住む、村岡正則さん(85歳)です。この1年半あまり、写真の少年につながる手がかりをさがし続けています。ローマ法王の発言をきっかけに、被爆当時の記憶が呼び覚まされたからです。 74年前のきょう。当時、小学6年生だった村岡さんは、爆心地から1.5キロ離れた自宅で母親とともに被爆しました。やけどを負った母親を支え、命からがら逃げ惑いました。ようやくたどり着いた避難先で出会ったのが、赤子を背負った、あの写真の少年だったといいます。 少年はその後、母親を見つけることができたのか。自分と同じ年ごろだったあの少年が、忘れられません。 村岡さんは「母親と一緒に私も逃げて、難民生活をしていったけれど、そんな苦労を(少年も)しただろうなと思うんですね。自