<心声天語>(112)ある中国青年の話より。 中国の揚子江にかかる「南京長江大橋」は、鉄道と道路が一体となった全長6772メートルの橋だ。(…)一九六八年に橋が開通して以来、ここから千人以上が身投げし、自殺している。自殺成功率百%の橋でもある。この橋に三年前から三十代中頃の中国人青年が週末にやって来る。自殺しようとする人を説得し、橋から身投げしようするのを止めるためである(…)ここまでなら「美談」である。ところが、ある日、青年がマスコミの取材で話した言葉に痛みを感じた。インタビューの最後に彼の表情が変わり、「自殺する人は卑怯な人間、無責任な人です。自分のことしか考えない…私の両親も私が五歳の時に自殺しました」と、声を震わせたのである(…)青年がこの仕事をはじめたのは自殺志願者を救うというよりも、残された家族たちを救うためではないだろうか。 「ここまでなら『美談』である」と断って続けられると
id:ceenaさんからご恵贈いただきました(いや、正確にいうとまだだけど 笑)。『マンガ論争勃発2』もそうですが本を頂く前に興味のあるものは(もらえるかもなあ〜と思うものでも)ついつい買ってしまう出版社にとってはありがたい存在の田中です*1。 さすがに身銭を切っただけあり(?)これはかなり面白いと思うよ。同じ作者の『MBQ』は好みとズレるんだけどこちらは、集団劇として楽しめる。この1巻と雑誌『モーニング・ツー』の方の最新の連載分しか読んでないんだけど、並行するいくつかのエピソードが有機的に結合して読みやすい。登場人物たちの役割がすっきりしているのもいい。狂気(日米のアンダーワールド)と凡庸(両方とも見かけはさえてても中味がどこな空虚な美男美女w)というふたつの世界を、ちょうど日本アニメが大好きなオタクの少年とその理解者?の少女が狂言回しとしてつないでいき、やがて爆発的にクロスしていく予感
宮台真司『日本の難点 (幻冬舎新書)』pp.95-6より: そんな母親の構えのお蔭で「自分の母親は世間の母親よりもずっとスゴイ」と思えました。そうした母親の子であったせいで「浅ましい奴」や「セコイ奴」には絶対なりたくないと思うようになったのでしょう。これも「目的」や「手段」ではなく端的な「衝動=感染的模倣」だろうと思います。 もちろん、そんなふうにしてできあがった僕の構えが実利をもたらす面が確かにあります。それはスピノザも言っていることです。僕の場合、売買春やクスリのフィールドワークをする際にヤクザにケツ持ちしてもらってきました。お蔭でこの方面でたくさんの著作をものすることができました。 女の子がストーカーにつきまとわれて困っているというようなときも、警察に頼んだら(ストーカー規制法成立以前だったので)半年以上もかかるところを彼らが三時間で解決してくれることもありました。僕の研究に役立つ情
神経内科の友達の強力な勧めで大学病院のカウンセラーのところに時々いっている。あの有名なフロイトの長いすがあるわけではないのだが、川を見渡すことのできる気持ちのいい部屋で、すわり心地のいい椅子に座って一時間ほどおしゃべりをする。別れ、離別についての話をしていて、死別と失恋についてどう思うのか、と聴かれた。しばらく考えてから"Silence is better than rejection"。そう応えて、いってみてから自分のいったことがとても的にはまっているようでいろいろ頭がぐるぐると回り始めて黙り込んでしまった。拒否されるよりも沈黙のほうがいい。失恋のつらさは経験したものだったらわかるだろうけれども、そのつらさの極大は話しかけようとしてもそれが拒否されることである。否定されるという経験。でも死別は私が否定されたわけではない。体の一部がなくなったような気にはなるけれど、それは私の存在が否定され
書くと与太話になること必定なんで、ちとためらうものがあるにはあるけど、あれですよ、いやあれ、あれだってば、その「Master of Love and Mercy」(参照)、「愛と慈悲のお師匠様」、といえば釈証厳(参照)……ちがった、「Masters of Sex and Love」(参照)、「性と愛のお師匠様たち」のほうだ。副題はこう「The Life and Times of William Masters and Virginia Johnson, the Couple Who Taught America How to Love」、つまり、「アメリカに愛の手法を指南したウィリアム・マスターズとバージニア・ジョンソンの生涯と時代」ということ。 ぶっちゃけ、マスターズ&ジョンソン、である、と言って通じるのは団塊世代か、あるいはその下の世代の、ちょっとおませなポスト団塊世代、オレオレ。ドク
1917年のロシア革命、他 ロイ・メドヴェージェフ (注)、以下には、ロイ・メドヴェージェフの論文およびそれに関する7つの文がある。1は、『1917年のロシア革命』(現代思潮新社発行)抜粋で、これは監訳:石井規衛・沼野充義、訳:北川和美・横山陽子による。2は、『10月革命』(未来社、1998復刊)における「前書き、H.E.ソールズベリー」抜粋。3は、同書「訳者解説、石井規衛」抜粋にした。これら1から3の抜粋部分は、いずれも憲法制定議会武力解散の誤りと並んで、内戦の主要原因になったと、メドヴェージェフが分析する、レーニンによる食糧独裁(穀物調達令)の誤りに関する個所である。 4から7は、1998年10月に来日したロイ・メドヴェージェフの『来日記念講演・資料6』および『歓迎する会ニュースno.1,3』(代表石堂清倫)からの抜粋である。4、5は、“ロシアでの社会主義を志向する約10の政党、政治グ
1917年のロシア革命に前後するロシアの激動の時代を、当時流通していた通貨の変遷を透して、実証的に概観することを意図している。 ロシア革命の貨幣史 1897年に実施されたロシアの金本位通貨制度の発足から、第一次大戦およびロシア革命を経て国内戦争が終結し、 崩壊した貨幣流通制度が ソヴェト政府による新経済政策 (ネップ) の下で再建されるまでの、 ロシア激動の時代の通貨事情を概説する。 はじめに 序.ロシアにおける金本位通貨制度の実施 1. 帝政ロシア末期の貨幣流通 2. 第一次大戦下の通貨事情 3. 臨時政府の通貨発行 4. 十月革命とソヴェト政府の通貨政策 5. 国内戦争と戦時共産主義の時代 6. 新経済政策と通貨制度の再建 [ 通貨索引è 全国的通貨 / 地域通貨 ] 新経済政策 (ネップ) での貨幣改革以降、およびソヴェト貨幣終焉から現在に至るまでの概略史については、 ロシア通貨の変
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