介護付き有料老人ホームに入所して一週間になる父87歳を、先日の月曜日、初めて一人で訪ねた。実家の母はこれまでのバタバタが一段落ついたところで、疲れが出たのか熱を出して寝ている。夫が一緒に行く予定だったが、一人で行くことにした。一人で行きたい理由があった。 母の話では、入所から三日目に叔父(母の弟)を伴って出かけたところ、廊下にいた父は手を広げて待っていて、「会いたかった、会いたかった」と泣き出さんばかりにしがみつき、「病院の方が良かった」だの「島流しに遭ったようだ」だの不満を並べ立て、いくつも施設を回ってさんざん悩んだあげく、見た中では一番良い(その分料金も張る)ところを父のために選んだ母は、心底ガックリして帰ってきたそうだ。 ところが一日置いてからまた訪ねると、今度は打って変わって上機嫌で「あれからよく考えて、いいところに入れてもらったと思った」と何度も感謝の言葉を繰返したという。どうや