党内を二分する激しい戦いが繰り広げられた民主党代表選。菅直人首相、小沢一郎・前幹事長のどちらが勝とうと、党瓦解は不可避との見方が広がる。景気や雇用対策を求める世論に背を向け、「政局の秋」が始まる。 「自民党政権時代になぞらえると、避けた方がいい戦いをしているんだけど、民主党の議員は理解しているの?」 菅直人首相、小沢一郎・前幹事長の代表選出馬会見をテレビで見ていた自民党元幹部がこんな疑問を口にした。 どういうことか。 「再登板」困難だった自民党 まず、自民党政権時代、党のトップである総裁(首相)を辞めた政治家は、たとえ派閥の領袖であってもその座に返り咲くことはなかった。 派閥や世代間の闘争による「疑似政権交代」で有権者の不満をそらし、権力を維持した自民党。「党の顔に新たな人物を選ぶのは、政策転換や組織活性化の点から必然のことだったし、世論もそれを求めた」と、この元幹部は語る。権力を保持しよ