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ブックマーク / gendai.media (21)

  • なぜ日本は唯一、中国から独立できたのか…唐帝国vs.ヤマト「白村江の戦い」を振り返る(茂木 誠)

    圧倒的な軍事力の中国に従うか、対抗するか? 第2回:「白村江の戦い」~唐帝国vs.ヤマト~ 小太郎:つきじい、前から不思議に思ってることがあるんですけど…。 つきじい:何じゃ? 小太郎:どうして世界には、大きな国と小さな国があるんですか?どうして日は小さいんですか? つきじい:日は小さくない。わしの祖国ギリシアと比べれば、大国じゃ。隣のあのバカデカい国と比べるから、小さく見えるんじゃ。 小太郎:中国の国って、どうしていつもあんなにデカいんですか? つきじい:地形じゃな。だだっ広い平原が広がっていて、軍隊を移動させやすい。大国が小国を滅ぼすのは簡単じゃ。日のように山がたくさんある国は、統一が難しい。しかし中国も、小さな国だった時代がある。 小太郎:えっ!中国が縮んでいたの? つきじい:はは、そうではない。統一される前、小さな国がたくさんあった、という意味じゃ。隋の時代よりもずっと前、今

    なぜ日本は唯一、中国から独立できたのか…唐帝国vs.ヤマト「白村江の戦い」を振り返る(茂木 誠)
    jimusiosaka
    jimusiosaka 2022/06/03
    現代の基準を安易に過去に当てはめてはならない、という実例の1つ。冊封体制は近代の植民地支配とは大きく異なるので、「中国から独立」という表現は誤解を生むだけでしょう。朝貢貿易の説明も、単純化しすぎですし
  • 『鎌倉殿の13人』大泉洋演じる源頼朝が、あんなにも「エラそう」な理由(野口 実) @gendai_biz

    開始早々から賛否両論が飛び交っている今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。大泉洋が演じるやけに軽いノリで威張り散らす源頼朝や、北条政子をはじめ自己主張の強い女性たち…。当時の人々は、当に“あんな感じ”だったのでしょうか? 講談社学術文庫の新刊『源氏の血脈―武家の棟梁への道』の著者である中世史研究者の野口実氏が、歴史学者の視点から『鎌倉殿』を読み解きます。 『鎌倉殿の13人』を考える 今年の大河ドラマはおもしろい。一部の研究者からは「ここまで品格のない大河は見たことがない」などという批判も聞こえるが、それは演出上の問題で、ストーリーや社会風俗の考証は相対的にはよく出来ていると思う。 だいたい日史研究者の中には、歴史に興味をもつきっかけが大河ドラマだったという人が多い。織田信長は高橋幸治、平清盛は仲代達矢、といった具合に、彼ら彼女らの脳裏にある研究対象とする人物や社会の「情景」は、けっこうか

    『鎌倉殿の13人』大泉洋演じる源頼朝が、あんなにも「エラそう」な理由(野口 実) @gendai_biz
  • 『ルパン三世』最終回で、宮崎駿がルパンを「ほぼ登場させなかった」深い理由(倉田 雅弘) @moneygendai

    ※10月15日に放送される金曜ロードショー『アニメ化50周年記念「みんなが選んだルパン三世」第1弾TVシリーズセレクション』の内容に関する記述を含んでいます。 「いままでのルパンは全部ニセモノ」 10月15日、金曜ロードショーで『ルパン三世』アニメ化50周年を記念し、過去のテレビシリーズ作品の4話が放送される。 これらは最新シリーズである『ルパン三世 PART6』を除き、1971年に放送を開始した『ルパン三世(第1シリーズ)』(以下『旧ルパン』)から2018年の『ルパン三世 PART5』まで、過去5つのテレビシリーズ全276話の中からファン投票によって選ばれた4作で、順位とタイトル、該当シリーズと初回放送日は以下の通り。

    『ルパン三世』最終回で、宮崎駿がルパンを「ほぼ登場させなかった」深い理由(倉田 雅弘) @moneygendai
  • 「朝鮮人が井戸に毒を入れた」100年前と同じ文句が飛び交うこの国の「ヤバすぎる現実」(金村 詩恩) @gendai_biz

    東大震災後、何が起きたか? 「124ページ開いて。関東大震災の箇所を読んでもらおうかな。きょうは13日だからタナカさん!」 大きな黒板を背にした40代後半ぐらいの女性がとなりの子を指した。 「はい! 1923年(大正12年)9月1日、関東地方南部を震源とした地震が発生しました」 はきはきとした声が響く。 周りを見回す。3~40人の子どもたちが学習机に座っていた。後ろを振り返る。 蜂巣みたいなロッカーに黒と赤のランドセルが入っていた。前を向く。だれもいない。おかしい。さっきまでいたはずなのに。 「コツン」 軽快な音が鳴った。痛みが頭に広がる。 「きょろきょろしない」 ささやき声がする方向を見た。黒板の前にいた彼女がいる。よく見たら高学年のときの担任だ。「あたらしい社会」と太いゴシック体で書かれた表紙のを持っていた。背表紙で叩かれたらしい。 また注意されないよう、教科書を熱心に読むふりをし

    「朝鮮人が井戸に毒を入れた」100年前と同じ文句が飛び交うこの国の「ヤバすぎる現実」(金村 詩恩) @gendai_biz
  • 知識人「言論男社会」の深すぎる闇…「呉座勇一事件」の背景にあったもの(後藤 和智) @gendai_biz

    「呉座勇一事件」の衝撃 2021年2月、ベストセラー『応仁の乱』(中公新書、2016年)の著者・呉座勇一が、シェイクスピアを中心とする文学の研究者で、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』(書肆侃侃房、2019年)などのフェミニズム批評でも知られる北村紗衣をはじめ、多数の女性や「フェミニスト」「リベラル派」と目される学者や知識人への誹謗中傷を、4000人以上のフォロワーを抱えているツイッターの非公開アカウントで大量に行っていたことが、フォロワーから北村への「告発」で発覚しました。 元々は北村が、『観応の擾乱』(中公新書、2017年)の著者である亀田俊和が、高名な歴史学者である網野善彦に対して「日が嫌いそう」「レフティ」などといった評価を行ったことに対して北村が「冷笑的」と批判したことで一悶着あったことに端を発する議論から、様々な経緯があって発覚したものですが、呉座のツイートには、女性研究者や

    知識人「言論男社会」の深すぎる闇…「呉座勇一事件」の背景にあったもの(後藤 和智) @gendai_biz
  • 『逃げ恥』『シン・エヴァ』…「リテラシーが低い人を差別しない」作品が時代を制する(稲田 豊史) @gendai_biz

    映画を早送りで観る理由 #1 説明過多の時代 後編】 先日、映画やドラマやアニメを倍速視聴、もしくは10秒飛ばしで観る習慣に対する違和感を、記事「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」に書いたところ、驚くほど大きな反響があった。 中でも特に議論を呼んだのが、倍速試聴や10秒飛ばしが増えた理由のひとつとして指摘した、「セリフですべてを説明する作品が増えた」ことである。前編「映画やドラマを観て『わかんなかった』という感想が増えた理由」に続いて後編では、そのような傾向が生まれた背景についてさらに深掘りしたい。 説明過多なアニメが増えている インターネット史やオタク文化研究などをテーマにした講演や執筆活動を行う、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の森永真弓氏は、説明過多なTVアニメが増えた理由について、小説投稿サイトの存在を挙げる。 たしかに、「小説家になろう

    『逃げ恥』『シン・エヴァ』…「リテラシーが低い人を差別しない」作品が時代を制する(稲田 豊史) @gendai_biz
  • 【詳細】ハーバード大教授の「慰安婦」論文が、世界中で「大批判」を浴びている理由(山口 智美) @gendai_biz

    複数の論文が批判を浴びている ハーバード大学ロースクールのJ・マーク・ラムザイヤー教授が書いた、日軍「慰安婦」問題や部落、沖縄、在日コリアンなどに関する複数の論文が国際的に批判を巻き起こしている。 きっかけとなったのは、2020年12月、”Contracting for sex in the Pacific War”(太平洋戦争における性契約)と題した論文が、International Review of Law and Economics(インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス、以下IRLE)という学術誌のオンラインサイトに掲載されたことだった。 その論文は、日軍「慰安婦」は、売春宿の業者と自発的に交渉を行い契約を結んだとし、「ゲーム理論」に基づきその「契約」を論じるというものだった。ラムザイヤー氏は「慰安所」の制度の責任はあくまで朝鮮人業者にあり、日軍や政

    【詳細】ハーバード大教授の「慰安婦」論文が、世界中で「大批判」を浴びている理由(山口 智美) @gendai_biz
    jimusiosaka
    jimusiosaka 2021/04/10
    「月がチーズでできていると主張する人と、まともな天文学者の間で議論はできない」という言葉がありますが、この記事を読めば、ラ氏がまさに「月がチーズでできていると主張する人」であることがわかると思います。
  • 「隠ぺい」よりヤバい“制度の欠陥”…福島原発事故、放射能汚染の予測が公開されなかった本当の理由(寿楽 浩太) @gendai_biz

    なぜ「SPEEDI」は活用されなかったのか? 10年前の東京電力福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)の発生当時に、大きな関心を集めたシミュレーションシステムがあった。放射性物質の拡散を計算できる、SPEEDIこと「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」だ。 SPEEDIは事故発生直後から稼働していた。しかし、その計算結果は事故対応に当たっていた首相官邸にも、被災地にも、そして広く社会全体にも適時適切に届けられることはなかった。政府による意図的な隠ぺいであったとして、大きな論争が展開されたことをご記憶の読者も少なくないだろう。 稿で筆者は、福島原発事故後に行った共同研究をもとに、この「SPEEDIの計算結果はなぜ適切に活用されなかったのか」という問いへの回答を試みる(関心のある方は、一般の方々向けにまとめた報告書がある。ぜひご覧いただきたい)。 筆者らの見解は、それは意図的な隠

    「隠ぺい」よりヤバい“制度の欠陥”…福島原発事故、放射能汚染の予測が公開されなかった本当の理由(寿楽 浩太) @gendai_biz
  • インドネシア大虐殺事件「罪に問われない殺人者」の闇落ちを追う『アクト・オブ・キリング』の衝撃(高木 敦史) @gendai_biz

    インドネシアの黙殺された歴史 『アクト・オブ・キリング』は、アメリカ出身の映画監督ジョシュア・オッペンハイマーによる2012年のドキュメンタリー映画です。イギリス・デンマーク・ノルウェーの共同制作で、日では2014年に公開されています。 この映画では、1965年から67年頃にかけてインドネシアで起きた、歴史上ほとんどスポットが当たってこなかった事件――いわゆる「9月30日事件」を端緒とした一連の出来事について取り扱っています。 「9月30日事件」の概要を説明しますと、オランダの植民地だったインドネシアがスカルノ初代大統領の主導により独立して20年後の1965年。一部の左派軍人によるクーデターが勃発しました。事件の呼び名はこのクーデターの起きた日にちなんだものです。 クーデター自体は未遂で終わりましたが、この際に気炎を上げたのが、後に二代目大統領に就任する陸軍のスハルト少将(当時)でした。

    インドネシア大虐殺事件「罪に問われない殺人者」の闇落ちを追う『アクト・オブ・キリング』の衝撃(高木 敦史) @gendai_biz
  • 大阪維新による「排除と分断の自治」を市民はいつまで支持し続けるのか(西岡 研介) @gendai_biz

    「維新政治」がもたらした「分断」 “勝つまでジャンケン”が通用しないとみるや、今度はゲームのルールを変えるようだ−−。 「大阪都構想の是非を問う住民投票」(これはあくまで地域政党「大阪維新の会」=以下、維新=が唱えてきた呼称で、正式には「大阪市廃止・特別区設置住民投票」という)の結果、反対多数で否決されてから僅か4日後の11月5日、松井一郎・大阪市長(維新代表)は「大阪府市の広域行政の一元化を条例制定で目指す」などと言い出した。 「大阪市は残すけれども、府と市は二度と対立するな、二重行政をつくるなというのが(住民投票で示された)民意だ」(6日付「朝日新聞」大阪版)というのである。 一方の吉村洋文・大阪府知事(維新代表代行)も翌6日、「都構想は1ポイント差(の得票率)で否決された。約半数の賛成派の声を尊重することも大事だ」(7日付「毎日新聞」大阪版)などと発言。「都構想」の制度案で、市から府

    大阪維新による「排除と分断の自治」を市民はいつまで支持し続けるのか(西岡 研介) @gendai_biz
  • 「現代の価値観で過去を裁くな」論のおかしさ〜BLM運動の「銅像破壊」を巡って(岩崎 稔) @gendai_biz

    Black Lives Matter運動のなかで、人種主義を唱えた歴史上の人物の銅像や記念碑などが破壊されることがあった。これに対して、日でもSNSなどで「現代の価値観で過去を裁くな」という発言が見られたが、こうした主張をどう考えればいいのか。東京外国語大学教授の岩崎稔氏が解説する。 銅像や記念碑に向けられた抗議 Black Lives Matter. 黒人の命も大切だ。こんな当たり前に見える要求が、コロナ禍で揺れる世界のなかで一大焦点となっている。しかしそれは「当たり前」などではなかった。ミネソタ州ミネアポリスでジョージ・フロイドさんが警官に首を8分間も押さえこまれて殺された事件は、いまも厳然と存在する人種差別の深い闇を照らしだした。 法や制度では形式的な平等を承認されているはずであるのに、実際には肌の色による差別が暮らしのさまざまな局面に根を張り、人生の可能性を執拗に塞(ふさ)ぎ続け

    「現代の価値観で過去を裁くな」論のおかしさ〜BLM運動の「銅像破壊」を巡って(岩崎 稔) @gendai_biz
  • 誰もが知っているダーウィンの名言は、進化論の誤解から生じた!(千葉 聡)

    「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」 多くの人がダーウィンが残した名言として信じているこの言説は、実は、ダーウィンの言葉ではなく、彼が唱えた「進化論」に照らしてみても誤ったものだった。 ビジネスや政治の世界で好んで使われるフレーズのルーツをたどってみると、意外な事実がわかってきた。 『進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語』の著者、東北大学大学院生命科学研究科千葉聡教授が、誤解と偏見を重ねながら面妖に「進化してきた」アナロジーに潜む謎と病理を解き明かす。 あの名言は、ダーウィンの言葉ではなかった “進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したと言われています” ──これは19年前、とある首相が行った国会演説の一節である。いわゆる構

    誰もが知っているダーウィンの名言は、進化論の誤解から生じた!(千葉 聡)
  • フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)

    奇妙なフェミニズムの潮流 私は長いことフェミニストをやっている。フェミニストであることを後悔したことは一度もない。そして、歴史フェミニズムが経験した失敗とか、今だと素っ頓狂に思える今は廃れた理論などについて学ぶのが昔から好きだ。 そんなのはおかしいと思うあなたは、視野が狭すぎる。先達がどういうところで失敗したのかについて学ぶのは、今後の戦略を考える上で重要なことだし、内省のきっかけにもなる。 私はふだん演劇史を研究しているが、少しでも歴史にかかわることを研究したことがある人なら、過去に向き合うことの重要性を知っているだろう。「都合の悪いことには目を向けない」という否認主義的な歴史修正主義は人を幼稚にする。フェミニズムについても同じだ。 一方で、私は自分があまり歴史家らしくないと思うこともある。というのも、私は科学史学会というところに所属しているのだが、科学思想の歴史を研究している人たちと

    フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)
  • 萩生田大臣「身の丈」発言を聞いて「教育格差」の研究者が考えたこと(松岡 亮二) @gendai_biz

    萩生田大臣「身の丈」発言を聞いて「教育格差」の研究者が考えたこと 大学入試改革が、格差を拡大する可能性 「身の丈」発言と謝罪 萩生田光一文部科学大臣の「身の丈」発言に注目が集まっています。 発言があったのは生放送のBSテレビ討論番組。2020年度実施の大学入学共通テストの概要が紹介され、新しく導入される民間英語試験によって受験生の間に「格差」が生じるリスクが取り上げられました。 シンプルに言えば、費用の異なる民間英語試験を2回まで受けることが可能という制度設計や、試験会場が満遍なく準備されていない状況が「不公平」を生むという指摘です。経済的に恵まれていない家庭では試験の受けられる回数も減るだろうし、試験会場から遠方の地域に住む受験生は試験を受けづらいというわけです(交通費の負担も大きくなります)。大臣はこう反論しました。 「そういう議論もね、正直あります。ありますけれど、じゃあそれ言ったら

    萩生田大臣「身の丈」発言を聞いて「教育格差」の研究者が考えたこと(松岡 亮二) @gendai_biz
  • 香港デモで「正義の香港市民」に暴行されかけて抱いた悲しみと違和感(青山 潤三) @gendai_biz

    大好きだった香港が… 筆者は6月9日付で「現代ビジネス」に、天安門事件30周年に際して「私が目撃した『天安門事件』あの日、中国の若者に訊ねられたこと」という記事を寄稿しました。 掲載から3日後の6月12日、香港の立法府周辺で「逃亡犯条例」改正に抗議するデモが発生しました。このとき筆者は全く別の目的(来の自分の仕事である野生生物の観察)で、香港を経由して中国土を訪ねる予定でいたのですが、ちょうどその日、香港でデモ隊と警察の衝突があったことを知ったのです。 情報によれば、6月16日に番の大規模デモがあるらしいーーそこで、中国奥地での野生生物の調査は数日ずらし、香港に数日滞在して、ゆっくりと取材してみようと考えました。 筆者には、今回の香港でのデモが「第二の天安門事件」になってしまうのではないか、という一抹の危惧がありました。といってもおそらく、大半の人が考えるのとは正反対の意味で……です

    香港デモで「正義の香港市民」に暴行されかけて抱いた悲しみと違和感(青山 潤三) @gendai_biz
  • 『シン・ゴジラ』に覚えた“違和感”の正体〜繰り返し発露する日本人の「儚い願望」(辻田 真佐憲) @gendai_biz

    文/辻田真佐憲(近現代史研究者) バブル時代とゴジラ映画 経済大国日は、21世紀にその財力で赤字国の領土を買いあさり、22世紀に世界最大の面積を誇る大国になり、23世紀に唯一の超大国として世界に君臨するにいたる。この事態を憂慮した未来人の一部は、タイムマシンを使って20世紀末の日に怪獣を送り込み、日を徹底的に破壊して、歴史を改変しようと試みる――。 これは、1991年12月に公開された『ゴジラ対キングギドラ』(大森一樹監督)のストーリーである。衰退する一方の現代日では、このストーリーはいまやまったく現実味のないものになってしまった。 しかし、この脚が書かれたころの日では、必ずしもそうではなかった。 当時の日はバブル景気の真っ直中であり、世界中の企業を買いあさるなど、まさに我が世の春を謳歌していた。いわゆる「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代だ。それゆえ、日がこのまま世界を

    『シン・ゴジラ』に覚えた“違和感”の正体〜繰り返し発露する日本人の「儚い願望」(辻田 真佐憲) @gendai_biz
  • 「日本スゴイ」で失敗し、日中戦争で大復活した新潮社雑誌の興亡史(辻田 真佐憲) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    かつて『日の出』があった。新潮社が1932年から1945年まで刊行していた大衆雑誌だ。 「日スゴイ」企画などで売り出すも大苦戦し、会社を経営危機の寸前にまで陥れるも、1937年7月の日中戦争の勃発によって急回復、その後は当時数多あった戦意高揚の雑誌としての役割を務め、敗戦と同じ年に寂しく消えた。 その当時の同社社長は佐藤義亮。『新潮45』のLGBT特集問題に絡み、「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」との言葉が注目されている人物だ。 とすると、当然ながらこんな疑問が湧いてくる。『日の出』の戦意高揚は良心に背かない出版だったのか、と。ほとんど忘れられた『日の出』を、改めて読み直すべきときは今である。 「日スゴイ」で売り出すも大失敗 『日の出』は、1932年8月に創刊された。当時隆盛を極めていた講談社の『キング』などをモデルに、佐藤社長が、満を持して送り出した大衆雑誌だった。 同年1月には

    「日本スゴイ」で失敗し、日中戦争で大復活した新潮社雑誌の興亡史(辻田 真佐憲) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
    jimusiosaka
    jimusiosaka 2018/09/24
    「沈黙を余儀なくされた」「転向を強要された」は大嘘←さすがにこれは言い過ぎ。マスコミに対する弾圧は明白に存在したのですから。転向を強要されたことと商業主義に走ったことは、必ずしも矛盾しないでしょう。
  • 「金正恩は改心したから北と対話せよ」論にダマされてはいけない(長谷川 幸洋) @gendai_biz

    北朝鮮の宣伝に乗せられたマスコミ 6月上旬にも開催予定の米朝首脳会談をめぐって、駆け引きが続いている。焦点は北朝鮮の非核化だが、勘違いしてはならない。実は「日人拉致被害者の解放と中短距離ミサイルの撤去」こそが、北朝鮮の真意を確かめるリトマス試験紙なのだ。 米朝両国は番前の事前協議で相当、詰めた議論をしているようだ。5月3日付の朝日新聞は1面トップで「北朝鮮、核全廃応じる構え 米朝事前協議 核兵器査察も」という見出しで「北朝鮮が、米国が求める手法による核の全面廃棄に応じる姿勢を示している」と報じた(https://www.asahi.com/articles/ASL524QNQL52UHBI01F.html)。 記事によれば、北朝鮮は「核兵器の査察にも初めて応じ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄も行う意向」という。ただ「核廃棄に向けた期間や北朝鮮への見返りでは意見の違い」が残っている

    「金正恩は改心したから北と対話せよ」論にダマされてはいけない(長谷川 幸洋) @gendai_biz
    jimusiosaka
    jimusiosaka 2018/05/05
    「金正恩は改心したから北と対話せよ」と主張している人を屏風から出すべき。情緒的な主張をする人ほど、自分のことは棚に上げて、批判相手の方が情緒的だと言うものなのです。
  • 日本の大学をぶっ壊した、政官財主導の「悪しきガバナンス改革」(石原 俊) @gendai_biz

    政府が大学のあり方への関与を深めている。大学の法人化で教職員が非公務員化し、天下りする文科省OBが増えた。政官財の意向を受けて選ばれた学長や執行部が主導権を握り、教育研究の内容や人事を独断で決め、教員とのトラブルになるケースが相次いでいる。この「トラブル」には、明らかに不当な理由にもとづく懲戒解雇や停職が数多く含まれ、裁判に至るケースも増えているという(→【前編】「政官財の愚かな圧力で、大学は想像以上にヤバいことになっている」はこちらから)。 年始早々に世間をにぎわせた、文部科学省の組織的な天下り斡旋の報道は、記憶に新しいだろう。調査の結果、事務次官経験者8名を含め、37名が処分(うち懲戒相当16名)を受けた。 大量処分の発端となった、元高等教育局長の早稲田大学教授への天下りについては、以下のことがわかっている(ホームページ等による)。 (1)元局長側が文科省人事課を通じて履歴書を早大側に

    日本の大学をぶっ壊した、政官財主導の「悪しきガバナンス改革」(石原 俊) @gendai_biz
  • 正気ですか?「パン屋は愛国心が足りない」という道徳教育の愚(辻田 真佐憲) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    「パン屋背徳事件」を永遠に記憶せよ 日の道徳教育歴史に、新たなる1ページが付け加えられた。 小学校道徳の教科書検定で、文部科学省が「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ」(「学習指導要領」)との点が足りないと指摘し、ある教科書会社が「パン屋」を「お菓子屋」に書き換えたというのである(3月24、25日付新聞各紙報道)。 このシンボリックな一件は、「パン屋背徳事件」とでも名づけて、永遠に記憶されるべきだ。 由来、道徳教育はつねに政治に翻弄され、ときにでたらめな議論や記述が横行してきた。今回の事件もさほど驚くべきことではない。おそらく今後も似たようなできごとが繰り返されるだろう。 それをできるかぎり防ぐためには、われわれが道徳教育に関心を持ち、これを継続して批判・検証していくほかない。そこで、今回の「パン屋背徳事件」を奇貨として、道徳教育歴史を振り返り、今後の展望を考えてみたい。

    正気ですか?「パン屋は愛国心が足りない」という道徳教育の愚(辻田 真佐憲) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
    jimusiosaka
    jimusiosaka 2017/03/30
    道徳教育の歴史についてのまとめ。わかりやすいです。