官能小説の第一人者、作家の団鬼六(だん・おにろく)=本名・黒岩幸彦=さんが6日午後2時6分、食道がんのため都内の病院で死去した。79歳だった。昨年1月に食道がんが発覚。手術は拒否し、放射線・投薬治療をしながらも、精力的に遊びや執筆活動に取り組み、「快楽こそ人生」という鬼六哲学を最後まで貫き通した。 関係者によると、がんは肺にも移転、最近は入退院を繰り返していた。先月10日には屋形船を借り切り、家族や官能小説家の丸茂ジュンさん(57)らと隅田川で花見会を開いた。 再入院し27日に一時帰宅したが、5月2日に容体が急変して緊急入院。意識が回復することなく6日、家族にみとられながら息を引き取った。 鬼六さんは1931年、滋賀県彦根市生まれ。関学大を卒業後、教員など職を転々。バー経営に失敗、借金返済のために書いた「親子丼」が57年にオール讀物新人杯に入選、作家デビュー。 当初は自身の株や先物相場の経