「腹囲を測るだけで基準になるのか?」「費用がかさむだけで効果は?」と、メタボ健診に批判的な意見は多い。なぜ今、メタボ健診なのか。今やらないと、いったいどうなるのか。国立健康・栄養研究所理事長であり、自らも糖尿病を生活習慣の改善で克服した経験を持つ医師、渡邊 昌氏に聞いた。渡邊氏は、このまま糖尿病などの生活習慣病患者が増え続けると、医療費の増大で健康保険が破綻し、金持ちしか医療を受けられない時代がやって来ると警鐘を鳴らす。 (聞き手/梅方久仁子) 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 理事長 渡邊 昌(わたなべ・しょう) 1941年生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、医学博士。アメリカ国立癌研究所病理部研究員、国立がんセンター研究所疫学部長、東京農業大学栄養科学科教授等を経て現職。『糖尿病は薬なしで治せる』(角川書店)など、著書多数