海洋中への二酸化炭素の蓄積 産業革命(1750年ごろ)以降、大気中の二酸化炭素濃度は年々増加しています。大気と海洋が接している海面では、大気と海洋の間で二酸化炭素の交換が行われています。大気中の二酸化炭素の増加に伴って、海水に溶け込む量が増えるため海洋表面の二酸化炭素も年々増加しています。海洋中に吸収された二酸化炭素は、海洋の循環や生物活動により深層に運ばれ蓄積されていきます。 現在、海洋は大気中に存在する量の約50倍もの炭素を蓄えています。また、産業活動によって排出された二酸化炭素(炭素重量換算で1年あたり約109億トン炭素)の約4分の1を海洋が吸収しています(IPCC, 2021)。しかしながら、地球温暖化の進行により、海洋の二酸化炭素吸収能力や海洋の循環が変化することが予測されています。大気中の二酸化炭素濃度を左右する海洋の二酸化炭素吸収能力を監視するため、海洋に蓄積された二酸化炭素