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ブックマーク / blog.tatsuru.com (6)

  • 教育のコストは誰が負担するのか? - 内田樹の研究室

    増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。 もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。 すくなくとも現状の奨学金は奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。 貸学金:たいがくきん。うっかり借りてしまうと社会奉仕を義務づけられ単位取得が滞りしまいには退学に追い込まれてしまう、恐ろしい学生ローンのこと。 今知ったんですが「貸学金」という言葉は中国語に存在しまして、うちの留学生の王さんにきいたところを総合するとほぼ日の学生支援機構「奨学金」と同種の学生貸付制度であるようだ(99年開始だとのこと)。一方で、中国には返済不要のちゃんとした奨学金も存在する。よっぽど

  • 労働について - 内田樹の研究室

    月曜の「キャリア教育」の一こまと、専攻ゼミで「働くとはどういうことか」についてお話する。 月曜の方は大教室で180人の学生さんを相手にマイクで講義という、ふだんしないことをする。 お相手は2,3年生。 就活についてはまだ不安だけという学年だけれど、バイトの経験はあるし、キャリアパスのための資格や免状のための科目はすでに履修しているし、セカンドスクールにも通っているものもいるから、「働く」ことについて漠然とした先入観は有している。 けれども、彼女たちの抱いている労働観は家庭教育とこれまでの学校教育の過程でずいぶん歪められている。 彼女たちは「ワーク」を「競争」のスキームでとらえている。 閉じられた同学齢集団内部で相対的な優劣を競うことが「ワークする」ことだと思い込んでいる。 そう教えられて二十歳近くまでやってきた彼女たちには、社会に出てから後は「ワークする」ことの意味が違ってくるという消息が

    jiwer5959
    jiwer5959 2010/04/30
    今の若くない人達は、この事に気がついていた???
  • 仕事納めはラジオ - 内田樹の研究室

    今年は早手回しに煤払いも終わり、年賀状も出し終えたので、今年最後のお仕事に出かける。 元旦に放送する「時事放談」みたいな番組の収録のために NHK に伺ったのである。 収録済み識者諸氏の時事についてのコメントを伺ったあと、解説委員の五十嵐公利さん(うっかり「アナウンサーの」と書いてしまいましたが、一昨日はたまたまアナウンサー役を私相手にやってくださったのでした。肩書き間違えてすみません)を相手に私が1時間半にわたって勝手なことぺらぺらしゃべるのを元旦に全国放送するという大胆な番組である。 最初はこれを元旦に渋谷から生放送でやるという企画だったのである。 企画した人々の度量の大きさというか見境のなさに驚嘆するのであるが、さいわい私は「お正月はお雑煮べたり、娘にお年玉あげたり、いろいろ忙しいのでダメです」とお断りすることでことなきを得た。 それで済んだと思っていたら、じゃあ生放送は諦めて、年

    jiwer5959
    jiwer5959 2008/12/30
    「そのあと「軽く打ち上げ」に北新地にむりやり連れて行かれ、その席には打ち合わせにもいなかった15名くらいの社員がもう先に来ていて、スポンサーの金でじゃんじゃん飲み食いしていた」
  • 小体な共同体へ - 内田樹の研究室

    お掃除部隊の大活躍で、家の煤払いが一日で終了。 ゑぴす屋タニグチ率いる「お掃除部隊」の諸君の獅子奮迅の人海戦術によって洗濯機の排水溝から野菜室で凍り付いていた賞味期限切れ品まできれいさっぱり片付いた。 うれしいことである。 もともと私はそれほど家を散らかす人間ではない。どちらかといえば、かなり片付け好きな人間である。 だが、家の整理整頓というのは寸暇を惜しんでやるというものではなくて、ゆったりとした気分の中で行い、興が乗って、「よっしゃ、こうなったら徹底的にやるか」というような気合いになっても、それが可能なだけの時間的余裕というものがないとかなわぬのである。現在のようなタイトなタイムテーブルで生きていては、ただ床に散らかっているものをしまいこむ程度のことしかできない。 夏物冬物整理とか、CDとDVDのアルファベット順配架とか、書棚の機能的再編というようなことはまだ遠い夢であるが、とにかく

    jiwer5959
    jiwer5959 2008/12/24
    「ゼミ生が二人」が裏付けのひとつに
  • 窮乏シフト - 内田樹の研究室

    ゼミの面接が始まる。 これまでに49人と面談。ひとり10分から長い人は20分くらいなので、すでに12時間くらい学生たちと話し続けている勘定になる。 ふう。 まだ20人くらい残っている。 たいへんな仕事ではあるけれど、総合文化学科の全2年生の3分の1くらいの学生たちと一対一で膝を突き合わせてその知的関心のありかを聞き取る得がたい機会である。 現代日の20歳の女性たちの喫緊の関心事は何か? 女性メディアの編集者であれば、垂涎のテーマであろう。 お教えしよう。 彼女たちが注目している問題は二点ある。 一つは「東アジア」であり、一つは「窮乏」である。 東アジアへの関心の主題として挙げられたものは「ストリートチルドレン」「麻薬」「売春」「人身売買」「児童虐待」「戦争被害」「テロリズム」「少数民族」などなど。 これらは、「法治、教育、医療、福祉、総じて人権擁護のインフラが整備されていない社会で人はど

  • 費用対効果教育 - 内田樹の研究室

    全国私立大学付属・併設中学校高等学校教育研究集会という長い名前の集まりに呼ばれて一席演じる。 教授会がある時間帯なので、ほんとうは断るべき学外バイトであるのだが、なにしろお相手が全国の中高名門校の先生方である。 大学案内をかかえて「あの〜、進路指導の先生にお会いしたいんですけど〜」と腰を低くして職員室にうかがっても、「あ、そのへんに資料だけ置いて帰っていいです」というような扱いを受けてきた身としては、「まとめて営業」できる機会というのはこちらからお鳥目を差し出しても伺いたいところである。 研究集会のテーマは「教育の不易と流行-多様化する社会における一貫教育の役割」というものである。 ちょうど『街場の教育論』が出たところなので、「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」という持論を述べる。 直前の教務委員会で来年度の学年

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