「三木氏が楽天につかない限り、我々が負けることはない」――。楽天によるTBS株買い増し問題で、キャスティングボードを握っていた靴販売大手、エービーシー・マートの三木正浩会長が07年6月18日、保有するTBS株の大半を、TBSに友好的な複数の投資家に売却したことで、TBS内には安堵の空気が広がった。 三木氏と楽天の「共闘」は最悪のシナリオ 07年3月末でTBS株9.91%を保有する第2位株主だった三木氏と、19.86%を保有する楽天が共同歩調をとれば、定款変更など重要事項の決定で必要となる株主総会での特別決議を拒否できる「3分の1」が目前になる。楽天への買収防衛策の発動を検討していたTBS経営陣には、三木氏と楽天の「共闘」は最悪のシナリオだった。 買収防衛策の導入の承認を求める6月28日の定時株主総会の議決権は、今年3月末時点の株主名簿に基づくので、三木氏に議決権がある。だが、買収防衛策の発