われわれの多くは、大震災に対する備えをしてきたと信じていた。情報システム関連の対策だけでも、リスク(クライシス)マネジメント、BCP(事業継続計画)、ディザスターリカバリー、UPS/自家発電装置などがあり、その重要性とコスト負担を見極めながら各社で取り組んできたはずだ。 だが、結果はどうか。期待通りに機能した対策はもちろん多かったが、今後の課題として取り組まなければならない点も多く見つかった。 例えば、今回の震災後に「想定外」という言葉をよく耳にするが、果たして本当に想定外だったのか。「想定」の仕方とその適正さについて、大いに議論すべき点がある。「脅威や被害の想定」はリスクマネジメントやBCPなどの起点であり、ここを間違えると結論が大きく変わってしまう。 深刻な電力不足も大きな課題だ。まずは目前に迫る今夏の電力不足を乗り切らなければならない。さらに、長い目で見て追加対策が必要になるだろう。