まず、これまでの話を簡単にまとめてみよう。現在IT業界でブームになっているクラウドは4つの段階で進化する。過去4年ほど、仮想データセンターやクラウド・アプリケーションで技術革新が進み、企業システムのクラウド化が進んだ。これが第1段階のクラウド・コンピューティングで、企業ITシステムを中心に広がっている。 その一方、日米ではWiMAXやLTEなどの次世代高速モバイル・ネットワークの整備が始まり、アップルのiPadを筆頭にモバイル分野ではタブレット・ブームが広がっている。これまで携帯電話一辺倒だったモバイル端末は、タブレットの台頭で新たな展開が始まった。 しかし、現在のモバイル・ブームは第2段階のクラウド・コミュニケーションや第3段階のクラウド・ディバイスとはほど遠い状況にある。モバイル版パッケージ・ソフトとも言える「アプ・エコノミー」に牛耳られているからだ。 モバイルOSの二頭立てで走るグー