送別会のお知らせが回ってくるときの気分は、面白い。辞める人が誰であれ、残される人の少し寂しい気分と、辞めていく人自身の晴れやかな表情が、ひどく、対照的なものですから。今回退職なさるのは、ええそうです、有望と評判の若手社員の腹田さんです。「ゆとり世代」の腹田さんは辞意を明かす際に、こんなふうに、仰いました。 「夏休みが1回しかないなんて信じられないっす。フレックスじゃないのも希望と違うし。仕事も8時間きっちりあるなんて無理っすよ。社員食堂がないってのも、自分にはちょっとネー、ぶっちゃけ自分のケーザイ超やばくて、車のローンがあるからメシ代そんなに出せないんすよ。仕事も、しょっちゅう電話とか鳴って忙しいじゃないすか。ま、いろいろあるけれど、端的に言うと自分の場所じゃなかったみたいです、ここ。もう嫌なんすよ」。 そんなナンバーワンよりオンリーワンの(世の人がこれを『ゆとり』と呼んで微笑むそうですが