ここ最近の著作権の延長問題についての議論を見ると、著作物が消費財だということが見て取れる。反対派はこうだ「二次利用が阻害される」。賛成派は「著作者への報酬によるやる気を生み出す」。再三述べてきたように、著作権と言うのは本来直接生活することに結びつかない「著作」と言う存在を売り物にするメディア業界と著作者の思惑によって出来上がってきたものだ。その中で本当の意味の「著作権*1」の占める割合は少なく、如何に財産として定義し、またその財産を犯されないようにするかのアイディアばかりが詰まっている。 出版にせよ、音楽にせよ、ほぼ全ての場合、利益を得る行動は「著作財産権を譲渡し、運用してもらう」ことである。つまり「広める手段とマーケットを生み出す代わり、一定の契約の範囲内でリターンする以外の権利は譲れ」ということだ。ところが、もうこの何年かで前者の「広く知らしめる手段」は完全にメディア業界の手を離れるこ