選挙権が18歳以上に引き下げられ、今年の参議院選挙から実施されますが、定数是正はいっこうに進みません。参議院の「1票の重み」は最大5倍も違う状態です。これは「違憲状態」という判決が何度も出ましたが、選挙は無効とはされませんでした。しかし1票の格差が完全に是正されて「1人1票」になったら、選挙は公平になるのでしょうか? 候補者の政見を聞いて勉強して投票する人も、近所の人に頼まれて何も知らずに投票する人も1票というのは変ですね。近代初期にできた議会は身分制で、有権者も貴族と高額納税者だけだったのですが、だんだん「すべての人に選挙権を与えるべきだ」という意見が強くなって、20世紀には1人1票の普通選挙になりました。 しかし女性にも選挙権を与えてから、大衆に迎合するポピュリズムがひどくなりました。女性に初めて参政権を与えたドイツのワイマール憲法では、ヒトラーが出てきました。彼は「大衆は女のように感
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