誰しも自分の頭の中が空っぽになったと感じるときがある。あるいは、誰かの頭の中が空っぽだとしか思えないこともある。でも、たいていの場合、われわれの頭蓋骨の中には脳がぎっしり詰まっている。そもそも、自分の頭が空っぽだと感じるのも、頭の中が空っぽだとしか思えない行動を取る人がいるのも、脳が働いているおかげである。ところが、頭の中がほとんど空っぽなのに普通に社会生活を営めている男性がフランスで発見されたという。 フイエ医師は脳梗塞などの脳疾患の可能性を疑ったようで、男性をCTとMRIにかけることにした。スキャンで得られた結果は、驚くべきものだった。男性の頭の中には、脳組織がほとんど存在していなかった。 正常な人でも脳の中には、脳室と呼ばれる空洞がある。その男性の場合は、脳室が常識では考えられないほど拡大しており、脳の組織が左右の頭蓋骨付近にしか残っていなかった。 写真へのリンク ※コメント欄で教え