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ブックマーク / jp.ign.com (17)

  • 【SF史に残る(べき)ゲームたち】第3回:「クロノ・トリガー」――時空を操作するマシーン

    今回は「クロノ・トリガー」を取り上げたい。IGN家の「THE TOP 100 RPGS OF ALL TIME」でベストRPGに選ばれた作品である。ゲームとしての価値は、いまさら贅言を呈するまでもないかもしれない。 1995年3月11日に発売された「クロノ・トリガー」は、恐るべきスクウェアの傑作群の中でひときわ輝く一作である。スタッフの一部が重なっている、1994年「ライブ・ア・ライブ」、1997年の「ファイナル・ファンタジーⅦ」や1998年「ゼノギアス」など、立て続けにミリオンを超えるセールを達成しつつ、実に高度な内容を描きつつ、ゲームによってこそ可能な新しい物語の文法を発明するという、信じがたい快進撃を続けていた。その文化史的な重要性を正確に測るためには、かなり格的な調査・研究を必要とするだろう。論だけではとても可能な仕事ではないが、「クロノ・トリガー」の価値を位置づけるための補

    【SF史に残る(べき)ゲームたち】第3回:「クロノ・トリガー」――時空を操作するマシーン
    jusei
    jusei 2019/11/04
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第9回『大神』前編――ゲームそれ自体への批評と個人的背景

    次は『大神』を扱おうと思う。だが、題に入る前に、前編としていささか長めの「方法論」的な話を書いておくことにしたい。今までは読者に負担をかけるだろうと思って遠慮してきたのだけれど、読んでくださった方々の反応を見ていて、そろそろ明示して説明しておいたほうが親切だろうと考えるようになってきた。 ゲームに関する批評はちょうど、東浩紀編集の批評雑誌『ゲンロン』のゲーム特集や、『SFマガジン』のゲーム特集などが刊行され、議論が盛り上がり、積み重ねられている最中だ。連載もほんの少しながらそれに資することができればと考えている。 さて、連載が、「SF」にフォーカスしながら「ゲーム」を語ることの狙いについては何回か記してきたので、今回は、「ゲーム」を「評論」するために連載がどのような方法論を採っているのか、その考えを読者の皆さんに伝えておくことにしたい。 ゲームそれ自体を評論するために――先行研究

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第9回『大神』前編――ゲームそれ自体への批評と個人的背景
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第18回『イースⅧ -Lacrimosa of DANA-』――「選択と集中」の痛みを描く

    「イース」は、日ファルコムによるアクションロールプレイングゲームのシリーズである。一作目は1987年。30年以上続く人気シリーズである。日RPGシリーズと言えば「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」が良く知られているが、「イース」シリーズもまたJRPG(日RPG)の重要な一角を担っている。『ドラゴンクエスト』が1986年、『ファイナルファンタジー』が1987年。PCで盛り上がりを見せていたRPGが、ファミコンでさらに盛り上がっていく過渡期に重要な一手を指したのが、『イース』であった。その最新作が、2016年に発売された作である。 最大の魅力はアクションRPGとしての爽快感だ。しかし、個人的に作が「現代ゲームだな」「JRPGの伝統や遺伝子を最良の形で引き継いでいるな」と感じたのは、主題とストーリーだった(相変わらずネタバレの連発なので、読んでしまうとプレイの魅力を削ぐ

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第18回『イースⅧ -Lacrimosa of DANA-』――「選択と集中」の痛みを描く
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第19回『STEINS;GATE』――中二病のまま公共的でありうる細い道

    『STEINS;GATE』は、2009年に5pb.から発売されたノベルゲームである。アニメ化され2011年に放送された。2015年には続編『STEINS;GATE 0』が発売され、2018年にはアニメが放送された。今年は、リメイク版のゲーム『STEINS;GATE ELITE』も発売されたので、記憶に新しいだろうし、今から触れるユーザーも多いのではないかと考え、およそ9年前のゲームではあるが、連載で扱うことにした。 思いっきりネタバレになっているので、これからプレイするつもりの人はなるべく読まないほうがいいと思う。いきなり初めて触れるほうがよっぽどおもしろいし、あの衝撃を味わってもらいたいからだ。 『STEINS;GATE』は「科学アドベンチャーシリーズ」と銘打たれた、世界観を共有する一連の作品のひとつである。2008年の『CHAOS;HEAD』、2012年の『ROBOTICS;NOTES

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第19回『STEINS;GATE』――中二病のまま公共的でありうる細い道
    jusei
    jusei 2019/11/04
  • 【連載1周年】SF史に残る(べき)ゲームたち特別座談会

    IGN JAPANの連載記事「SF史に残る(べき)ゲームたち」が1周年を迎えた。執筆者の藤田直哉氏をお呼びし連載を振り返る特別座談会。 SF史に残る(べき)ゲームたち 出演者: 藤田直哉(批評家) 今井晋 千葉芳樹 ――――――――――― IGN JAPAN : http://jp.ign.com/ Twitter : https://twitter.com/IGNJapan Facebook : https://www.facebook.com/IGNJapan コメント投稿ルール:http://jp.ign.com/ign-japan/21173/editorial/ign-japanyoutube

    【連載1周年】SF史に残る(べき)ゲームたち特別座談会
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第24回『ゼノギアス』――ゲームというテクノロジーに接触した人類の記録

    イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが書いたベストセラー『ホモ・デウス』を読んでいて、『ゼノギアス』のことを思い出した。『サピエンス全史』の続編である書は、人類の未来を予測して描いた人文書であるが、その主張はSF的にぶっ飛んでいる。未来の人間は人権や民主主義などの前提となっている価値観「人間至上主義」を失い、「データ至上主義」の「データ教」になり、データとして一体化するというのだ。生命とはアルゴリズムであり、AI、インターネット、遺伝子改良、身体改造、脳神経科学などの発達により、人類の進む先は、「不死」と「至福」と「神性」であるとしている。 壮大な進歩史観の物語であり、これが「ノンフィクション」として売られていたことに驚く。そしてそれが、20年以上前の日RPGゲームと似通った部分を持つことに、戸惑いを覚えるのだ。 さて、それは話の枕。『ゼノギアス』は1998年にスクウェアから発

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第24回『ゼノギアス』――ゲームというテクノロジーに接触した人類の記録
  • 【海外の視点】日本のゲーム産業がいかに復活を遂げたか

    それは、非常にシンプルな情景だった。高そうな黒服に身を固めた4人の美男子が、ひときわ高級そうな自動車に乗っていたが、それが故障してしまった。やむなく車を外から押すはめになった青年たちのバックに、Florence + the Machineによる『スタンド・バイ・ミー』のカバー曲が流れる。美しく、穏やかなシーンだが、『ファイナルファンタジーXV』のエッセンスを見事に捉えている。4人の親友たちが、広い世界に初めて乗り出す。これから数々の新しい土地を訪れ、時には友情を試されながら、試練を乗り越えていくのだと伝わってくる。 だが別な見方をすれば、FFシリーズの新たな方向を確立し、今世代機でナンバリングシリーズを再始動しようとしている作品のオープニングシーンが「壊れた車を動かそうとする人々の姿」というわけだ。少しあからさまな例えではあるが、このシリーズ自身の状況とぴったりイメージが重なる。さらにリリ

    【海外の視点】日本のゲーム産業がいかに復活を遂げたか
    jusei
    jusei 2018/10/15
  • 中小のゲームセンターが消えていく本当の理由―― 「マットマウス鹿島田・新川崎店」の閉店がもたらす意味

    警視庁が発表している「平成29年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」内の「風俗営業の許可数(営業所数等)の推移」を参照すると、ゲームセンターの店舗数は平成29年現在、4381店となっている(※『UFOキャッチャー』に代表されるプライズ機や、幼児を対象としたカードゲーム機やライド機のみを設置している店舗も含まれている)。 1986年には全国に約2万6000もの店舗があったが、その数は2006年から徐々に下降。2010年に入ってからは全国各地でゲームセンターの閉店が相次ぐようになったその背景には、独自筐体でリリースされる新作タイトルの高額化と有償バージョンアップのほか、ネット接続が前提となったことで発生する毎月の通信費と、1プレイ毎にメーカーが一定額を徴収する従量課金の導入が挙げられる。これによって100円の売上から諸経費を差し引くと、店舗の利益は約50~70円に下がっ

    中小のゲームセンターが消えていく本当の理由―― 「マットマウス鹿島田・新川崎店」の閉店がもたらす意味
    jusei
    jusei 2018/07/22
  • 【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために

    ゲームは、現代を代表する表現形式である。疑うならば、電車に乗れば良い。子どもも大人も、スマホを開き、ゲームに興じている。 これだけの大勢が日常的に接しているメディアである。人々の感性や認識に影響を与えないわけはない。しかし、そうであるにも関わらず、これまで、批評・研究は、正当な目を注いで来なかった。その理由は、人類が手に入れた新しい表現形式・メディア・芸術であるゲームの正当な価値を見誤ってきたからでもあるし、既存の方法論ではゲームを論じることが困難であった、という理由にも拠るだろう。 ゲームは、少なくとも映画が払われてきたのと同じぐらいには、注目され、論じられてしかるべき表現である。映画も生まれてまだ一〇〇年ちょっとしか経っていない新しいメディアであり表現形式であり、最初は単なる見世物であり神経を刺激するだけのものと考えられてきたが、二〇世紀における映画・映像が、単なる娯楽に留まらず、人々

    【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために
  • 2017年は任天堂のパワーを再確認できる年だった――ゲーム業界随一の老舗の大逆転を振り返る

    1年前の今頃、僕は任天堂の未来が不安だった。実際にも、任天堂は危機的な状況におかれていたと言えるだろう。WiiとDSの時代に獲得したカジュアルユーザーをスマホ端末に奪われ、コアゲーマーの"任天堂離れ"があまりにも長く続いていて今さら振り向いてもらうのは容易ではなさそうだった。自社のプラットフォームではもはや任天堂ファンにしか振り向いてもらえず、モバイルゲームへの展開もビジネス的な観点からすれば大いに頷ける判断だった。 岩田聡が後世に残した最後の"天才の閃き" Nintendo Switchの初公開映像が2016年10月に公開された当初から、僕はそのポテンシャルを感じてはいた。だが、ここまでヒットするとはさすがに思わなかった。それに、自分がこのゲーム機をここまで気に入るようになるとも思わなかった。 普及台数はわずか9カ月で1000万台を超え、その勢いはPS4やWiiにも劣らない。 テレビに繋

    2017年は任天堂のパワーを再確認できる年だった――ゲーム業界随一の老舗の大逆転を振り返る
    jusei
    jusei 2018/01/15
  • 日本のゲームが世界の舞台で大活躍した2017年を振り返る

    「サンキュー、アメリカ!!」 2017年12月7日に米国ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲームアワードイベントThe Game Awards 2017の会場で、リンクのコスプレをした任天堂の青沼英二は興奮で声を震わせながら叫んだ。 The Game Awards 2017でGOTYを受賞して言葉を失っている青沼英二(右)と藤林秀麿(中央)。 アワードが今の形になってから4年目の開催となった2017年、任天堂の作品がゲーム・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が最初となったのはもちろん、そもそも日ゲームが受賞したことも初めてだった。 僕が子供だった90年代、ゲームといえば日というイメージが欧米にはあった。 僕が子供だった90年代、ゲームといえば日というイメージが欧米にはあった。PCゲームとコンソールゲームがまったく別の市場として存在していた

    日本のゲームが世界の舞台で大活躍した2017年を振り返る
    jusei
    jusei 2018/01/04
  • 「ゼルダの伝説 BotW」、ハイラルの実在感を高めるためのサウンドデザイン

    両氏はまず、同作で使用されている音源を「オープンエアーサウンド」と定義し、その要は「環境音」であると語った。同作の環境音は、画面に映し出されているものにとどまらず、目に見えない要素をも表現するものだ。たとえば、風の音、鳥の鳴き声、川の流れなどである。視界の外にあるこういった要素を追求することで、世界観の強化が行われているという。 たとえば、グラフィックで描かれることのない虫の鳴き声は、主人公リンクを中心にhex座標を展開することで立体感を表現した。同じ方向に重複した音源のうち、ひとつを進行方向の背後に回すことで、うしろに向かって追い越していくような効果を実現。あるいは鳥の鳴き声は、葉が茂っている木の上に仮想音源を置くことで、音響の位置のリアリティを追求した。 風の概念も重要な要素だ。風の強さに合わせて、3種類の周波数別の音源が使用されている。草木などのオブジェクトが存在すれば、それらの位置

    「ゼルダの伝説 BotW」、ハイラルの実在感を高めるためのサウンドデザイン
    jusei
    jusei 2017/09/02
  • 「ゼルダの伝説 BotW」にバグが少ない理由

    素晴らしいオープンワールドゲームならいくらでもある。「The Elder Scrolls V: Skyrim」、「ウィッチャー3 ワイルドハント」、「グランド・セフト・オートV」、「Fallout 4」など、巧妙に作り込まれた膨大なスケールのゲームは特に海外のタイトルが多いように思う。それらと比べても遜色のない国産タイトル「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、BotW)だが、他のオープンワールドゲームより優れている点があるとすれば、バグの少なさなのではないだろうか。僕はハイラルの世界を150時間以上冒険しているが、バグらしいバグに遭遇したのは片手で数えられる程度の回数しかないのだ。 では、なぜBotWはこんなにもバグが少ないのか。「何年も入念に開発してきたからだ」とか「細かいところを丁寧に作り込む日人の職人魂が備わっているから」とか、そんな理由でも片付けられそうな気がするが

    「ゼルダの伝説 BotW」にバグが少ない理由
    jusei
    jusei 2017/09/02
  • 「ゼルダの伝説 BotW」、こうしてオープンワールドの見本となるような作品ができあがった

    「引力」でプレイヤーを誘導 藤林氏は数百名のテストプレイヤーのマップ上に表示された足跡の図を2枚、披露した。その場所を訪れたプレイヤーが多ければ多いほど、足跡はより明るい色で表示される。1枚目の図では街道に沿って進んだプレイヤーが約8割で、残りの2割は積極的に道なき道を進んでいったという結果になり、プレイスタイルが二極化していた。2枚目の図では街道がある場所もそうでない場所も全体的により明るい色になり、プレイヤーの探索の幅が確実に広がった。これらの図はある施策の前と後に行われたプレイヤーテストの結果だが、施策前の多くのプレイヤーの感想は「オープンワールドといえど一道は否めない」、「やらされている感じがする」といったものだったという。 自由にどこへでも進んでいけるオープンワールド型のゲームにおいて、プレイヤーを如何に誘導するのか。これは任天堂にとって初めての試みだったということもあり、様々

    「ゼルダの伝説 BotW」、こうしてオープンワールドの見本となるような作品ができあがった
    jusei
    jusei 2017/09/01
  • 任天堂の宮本茂氏、VRへの懸念を明らかにする

    任天堂のクリエイティブフェロー・宮茂氏がVR(バーチャル・リアリティ)を語り、いくつかの問題が解決された一方で、依然として懸念が残ると話した。 「VRを使ってオンラインに一緒にいるという意味では、多くの問題が解決されたか、解決されかかっていると思います」と宮氏はTIMEのインタビューで話している。「これは我々が調査していることでもあります」 任天堂の最も有名なフランチャイズを生み出してきた宮氏だが、それでもVRに関しては懸念が残っているという。「VRをプレイしている人を見ると、心配になります。例えば、親は子供がVRをプレイしている姿を見たら、おそらく心配になると思いますが、それと同じように」と宮氏は説明している。 また、宮氏はVRを開発する際の「問題とチャレンジ」として、「いかにして短く、しかし完全に作り込まれた体験を作るのか」という点を挙げている。 一方、任天堂の君島社長は日経

    任天堂の宮本茂氏、VRへの懸念を明らかにする
  • 「Rez Infinite」の水口哲也氏が語る、これまでのVR開発と今後

    BitSummit 4thでエンハンス・ゲームズの水口氏にインタビュー。 BitSummit 4thでエンハンス・ゲームズの水口哲也氏にインタビュー。インディー作品やPlayStation VRのローンチタイトルとなる「Rez Infinite」の開発についてなど、VRをテーマに話を聞いた。

    「Rez Infinite」の水口哲也氏が語る、これまでのVR開発と今後
    jusei
    jusei 2016/07/15
  • 任天堂決算発表、「Splatoon」は427万本販売

    27日、任天堂が決算説明会を実施した。公開された決算短信によると前期の売上高は5044億円でそのうち海外の比率が73.1%となっている。営業利益は328億円で、円高による為替損益が183億円計上され、経常利益は287億円、当期純利益は昨年比60.6%減の165億円となった。 ニンテンドー3DSの販売台数は679万台、3DS向けソフトの販売数は4852万となった。Wii Uについてはハードウェアの販売台数は326万台、ソフトウェアは2736万。タイトル別に見てみると、最も売れたのは「Splatoonスプラトゥーン)」で427万、続いて「スーパーマリオメーカー」が352万とWii U向けのタイトルが上位に入っている。特に「スプラトゥーン」は新規IPながら、Wii Uのプラットフォームを牽引する人気タイトルになった。 amiibo(アミーボ)は304万3DS向けタイトルで最も売上を

    任天堂決算発表、「Splatoon」は427万本販売
    jusei
    jusei 2016/04/28
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