ドキュメンタリー映画「主戦場」の一場面から。米国内に立てられた慰安婦を象徴する少女像=米カリフォルニア州グレンデール市(C)NO MAN PRODUCTIONS LLC 映画の出演者が公開後に提訴、一審で監督側が勝訴 「事実は映画よりも奇なり」というべきか。 ドキュメンタリー映画「主戦場」は、慰安婦問題をめぐって対立する論者のインタビュー映像を並べ、観客の目の前であたかもバーチャルな「論争」が展開しているかのように再構成された作品だった。2時間余の映画が結末を迎えるころには、監督が考えた一定の「結論」が作品内で示される。 しかし映画公開後、こんどは映画の取材や製作方法をめぐる新たな「論争」が起こった。出演者が監督を相手取って提訴したのだ。映画の枠をはみ出したこのリアルな「論争」にはシナリオがなく、結末がどうなるかはまだだれにもわからない。一審判決は1月27日に東京地裁で言い渡され、監督側が