【北京・成沢健一】5日付の北京紙「新京報」などによると、中国政府と海南省の観光当局は、南シナ海の西沙(英語名・パラセル)諸島への観光を年内に開始する方針を明らかにした。中国と領有権を争うベトナムが反発するのは確実だ。 中国メディアは「南シナ海の中で全く(領有権の)争いがないのが西沙諸島」と紹介。観光当局は、海南省の海口や三亜から西沙諸島への航路を決めており、定員800人の豪華客船での観光を一般に開放する計画を進めている。 中国の軍事専門家は「観光開発は主権をアピールするうえで大きな利点がある」と指摘。国家観光局の幹部は「西沙観光は辺境の防衛と南シナ海問題の解決につながる」と主張している。 一方、中国国家観光局の報道担当者は5日、別のメディアの取材に対し、「(西沙観光の)情報はなく、関連報道の把握に努めている」と述べた。