1月3日(日) 歌舞伎座の初芝居。 最後の幕の「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)」を 書いている。 河竹黙阿弥翁の作品である。 以前にも紹介しているが『河竹黙阿弥の明治維新』(渡辺保・新潮社) という本がある。 江戸末期に活躍し「三人吉三」「白波五人男」などの数々の白波物 (泥棒を扱った作品)を世に送り出した黙阿弥であるが、 この人は明治まで生き残り歌舞伎作者を続け、今でも上演される 作品を明治期にも多く残しているわけである。 この作品もその一つ。 渡辺保氏(歌舞伎研究家・批評家)は『河竹黙阿弥の明治維新』で この「雪暮夜入谷畦道」の特に「そばやの場」について丁寧に 論じている。 昨日も書いたように「そばやの場」は江戸の郊外、 吉原からも遠くない入谷田圃にある、まあ、場末のそばや。 そんなところでの1シーン。 ここで黙阿弥は江戸の粋、美学を表現したかった、 と、渡辺氏は語って