ほ乳類や鳥類、両生類などで「初歩的な数学的能力」があることが確認された種は意外に多い。40世代にわたる「教育」の結果、「数を数える能力」をもつショウジョウバエが誕生したという研究もある。 キイロショウジョウバエはライフスパンが短く(世代間隔は10日、寿命は2カ月)進化が速いため、1900年代初めから遺伝学の実験に広く用いられている。Image:Wikimedia Commons 進化遺伝学を研究するチームが、数的能力を発達させる刺激をショウジョウバエに繰り返し与えたところ、40世代後に「数を数える能力」をもつ世代が誕生したという。 2012年7月にカナダで行われた第1回進化生物学合同会議で発表されたこの研究成果は、われわれがどのように数を処理しているのかということや、ディスカルキュリア(計算能力の障害)が発生する遺伝的要因について理解を深めるのに役立つ可能性がある。