今日から新年度が始まります。新たな学年を迎える学生たちの中には、辞書を買ったり、プレゼントされたりした人も多いでしょうが、思えば辞書の紙は、何であんなにペラペラで、なおかつ丈夫なのでしょうか? 有名辞書の紙をたくさん扱っている王子エフテックス株式会社印刷特殊紙営業部にお話を伺いました。 「辞書の紙は、もともとタバコのライスペーパーと呼ばれる、タバコの葉を巻く薄い紙を作る技術から派生して開発されるようになったんです。紙は基本的に2種類のパルプを配合させて作られています。ひとつは松などの針葉樹。強度があるという特徴があります。もうひとつはユーカリなどの広葉樹。こちらは均一性に優れています。これを紙の用途によって配合を変えて紙は作られます。辞書も同じで、出版社さんごとに最適な配合を常に模索しながら、薄くて強い紙を作っています」 例えば岩波書店の『広辞苑』の場合、改訂のたびに掲載する単語が増え、そ