ドーム状の大きな鼻をしたルシンゴリクス。生息地のケニア、ルシンガ島は当時気温が高く、草原に覆われていた。(Illustration By Todd Marshall) 地質年代からすれば“つい最近”の5万年前までケニアに生きていたヌーに似た哺乳類。新たな化石から、恐竜に似た器官を使ってトランペットのような音を出していたことが明らかになった。 氷期だった7万5000~5万年前のケニア、ビクトリア湖のルシンガ島に、学名 Rusingoryx atopocranion (ルシンゴリクス・アトポクラニオン)という動物が生きていた。当時、島は一面乾いた草地。従来、この種は頭骨の一部のみが産出していたが、最近になって骨や歯を多量に含む地層が見つかり、誰も予想しなかった奇妙な姿が明らかになった。 ルシンガ島での最新の発掘により、ルシンゴリクス6頭分の頭骨が産出。幼獣から成獣までそろっており、初めてほぼ完