今回、市販の「冷凍野菜」を使ってみたけど、満足いく仕上がりにならないという人たちを取材しました。 「冷凍サトイモで煮物を作ってみたけど、かたくてえぐみがある」 「冷凍カボチャを煮ても、煮崩れて水っぽくなる」 「冷凍ホウレンソウは、食感がなくシャキシャキとしない」 実は、こうしたお悩みはすべて、冷凍野菜工場でのある工程に深い関わりがあります。それは「ブランチング」。野菜を凍結させる前に、高い温度でゆでたり、蒸したりする工程で、品質の低下を防ぐことなどを目的に行われます。 このブランチングを経てから「冷凍」されているために、「冷凍野菜」には「生鮮野菜」にはない独特の特性があります。そのひとつは、外側の表面に近いところは十分に火が通っていても、内側が生に近い状態であること。またもうひとつは、凍るときに内部の水分がより体積の大きな氷となるため、細胞にすき間ができて、スポンジのような構造になることで