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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (356)

  • あだ名の禁止で、相手が尊重される?──学校の都合に振り回される子供たち

    <「呼び捨て」禁止と「さん付け」指導は、いじめのリスクを回避したいという学校側の短絡的な判断。しかし、来は自分が呼ばれたい名前が何であるかを、子供たちも交えて議論すべき> 読売新聞は5月28日、「『あだ名』『呼び捨て』は禁止、小学校で『さん付け』指導が広がる」という興味深い記事を掲載した。 記事によると、一部の小学校が「あだ名」「呼び捨て」を禁止した理由はいじめのリスクを低くすることと、相手を尊重すること。だがこの判断は疑問だ。禁止すれば結果的に、あだ名は悪いと印象付けてしまうと思う。 実際はどうかといえば、「良い」「悪い」はどんなあだ名かによるし、人が嫌なあだ名もあれば、好きなあだ名もある。悪い例があるから全部を禁止するというのは、議論もせず単純な判断をしているだけだ。 学校で子供にちゃんと教えないといけないのは、考えた上で判断することだと私は思う。「0」と「1」の間の「0.5」や「

    あだ名の禁止で、相手が尊重される?──学校の都合に振り回される子供たち
  • リベラルは復権のために、民主主義を侮蔑する「幼稚な支持者」と縁を切ろう

    <裁判所の判決であれ、選挙の投票結果であれ、自分が期待していた結果と異なると文句だけ言って対話を放棄してきた「リベラル人士」の浅ましい姿に、多くの人が辟易していることに気づくべき> 民主主義とは、投票所に足を運んで立法府の議員を選ぶことなのだろうか? 「あたりまえじゃないか」と思われるかもしれない。しかし近日、どうもそうは考えない人も多いらしいと、感じる事件があった。 ひとつは2022年6月に大阪地裁が下した、同性婚を認めていない日の現行法は「違憲ではない」とする判決だ。21年3月の札幌地裁は逆に「現行法は部分的に違憲だ」とする判決を出していたため、期待を裏切られたとして声高に大阪地裁への「抗議」を表明した人は、SNSをざっと眺めるだけでもかなりの数に上る。 おかしな話である。大阪地裁の判決文は、婚姻を異性間に限る現行の法制が「違憲ではない」と言っているだけで、日でも同性婚が可能となる

    リベラルは復権のために、民主主義を侮蔑する「幼稚な支持者」と縁を切ろう
    kaeru-no-tsura
    kaeru-no-tsura 2022/07/07
    與那覇潤
  • 若者の「恋愛離れ、セックス離れ」はウソ 内閣府「20代の4割がデート経験なし」の本当の意味

    恋愛しない、恋愛できない層が可視化されただけ> 先ごろ大きな話題となった「20代の若者のデート経験なし4割」という内閣府「令和4年版男女共同参画白書」を基にしたニュース。テレビでは、いつものように、中年男性たちの街頭インタビューで、「最近の男はだらしがないね」などとお決まりのフレーズが流れていましたが、当にそうでしょうか。 実際に「最近の若者だけがデート恋愛をしなくなったわけではない」ということは統計上明らかで、繰り返し私が言ってきたように「いつの時代も恋愛しているのはせいぜい3割程度」という「恋愛強者3割の法則」があります。 今回の内閣府の調査でも、20代男性の「配偶者・恋人のいない割合が65.8%にもなった」と大騒ぎしているのですが、そもそも20代男性の未婚率は86%であり、未婚者全体を100とすれば恋人のいない未婚男性割合は約76%となります。つまり、恋人のいる恋愛強者率は24

    若者の「恋愛離れ、セックス離れ」はウソ 内閣府「20代の4割がデート経験なし」の本当の意味
  • 今度の参議院選挙で審判を受けるのはむしろ「野党」

    <参院選が始まった。当初は「ほぼ無風」と見られたが、インフレと円安で微妙に与党・岸田政権への風向きが変わりつつある。しかし今回の選挙で有権者の審判を受けるのはむしろ野党だ> 参議院選挙が22日に公示され、7月10日の投開票日まで18日間の選挙戦が始まった。岸田首相は勝敗ラインを「非改選を含めて与党で過半数」としているが、自民党優位が伝えられている現状からすればかなり低いハードルだ。むしろ「比例区で最多得票を得る野党は立憲民主党か日維新の会か」、「立憲民主党の泉健太代表は選挙後に交代に追い込まれるのか」といったような野党側の事情に関心が集まっているが、それは今回の選挙の質を示しているとも言える。 参議院選挙は、首相指名で優越する衆議院の総選挙と異なり、政権「選択」選挙ではない。しかし今回の参議院選挙は、2021年10月の発足直後に解散総選挙に踏み切り勝利を収めた岸田政権にとって、通常国会

    今度の参議院選挙で審判を受けるのはむしろ「野党」
  • 「協調性」は日本人男性のみに通用するという研究結果──非認知能力の重要性(中)

    <近年、経済学で注目されている非認知能力とはそもそも何か? 論壇誌『アステイオン』96号は「経済学の常識、世間の常識」特集。同特集の論考「しっかり稼げる大人にするには?──非認知能力の重要性」を3回に分けて全文掲載する> ※第1回:「勉強だけ出来ても役に立たない」は負け惜しみではなかった──非認知能力の重要性(上) より続く 「非認知能力」が収入に与える影響 では個人の収入の変動を説明するうえで、認知能力ではないものとはいったい何なのだろうか。近年の経済学では、「非認知能力」に注目が集まっている。非認知能力とは何なのだろうか。 読んで字のごとく、学力テストやIQテストで計測することのできる「認知能力」に「非(あら)ず」というわけだ。勤勉性や、忍耐強さ、真面目さなどの性格的な特徴のことだ。 心理学では、「社会情緒的スキル」と呼ばれ、長く研究の対象になってきた(*2)。そして、2000年にノー

    「協調性」は日本人男性のみに通用するという研究結果──非認知能力の重要性(中)
  • 「勉強だけ出来ても役に立たない」は負け惜しみではなかった──非認知能力の重要性(上)

    当に偏差値の高い大学へ行けば、将来の収入は高くなるのだろうか? 論壇誌『アステイオン』96号は「経済学の常識、世間の常識」特集。同特集の論考「しっかり稼げる大人にするには?──非認知能力の重要性」を3回に分けて全文掲載する> 将来、しっかり稼ぐ大人にするために、子供の頃にどのような教育を受けていればよいのだろうか。一番の近道は、「偏差値の高い大学へ行くことだ」と考える人は多いのかもしれない。当に、偏差値の高い大学へ行けば、将来の収入は高くなるのだろうか。 偏差値の高い大学はどうかはさておき、大学へ行くこと自体は正しい選択だと言えるだろう。特に、近年、大卒の賃金プレミアム(大卒であることによって得られる賃金の上乗せ分)は高まっている[Oreopoulos & Petronijevic, 2013]。 しかし、「偏差値の高い」大学であるべきかどうかについては、研究によって結果が分かれてい

    「勉強だけ出来ても役に立たない」は負け惜しみではなかった──非認知能力の重要性(上)
  • 女性を踏み殺したゾウ、葬儀に現れ遺体を執拗に踏みつけ去る インド

    <突然姿を現したゾウはマヤさんの遺体に突進し突き飛ばした。その上、地面に叩きつけた遺体を執拗に踏みつけてから去ったという> インドで女性を襲い殺したゾウがその女性の葬儀中に再び現れ、彼女の遺体を踏みつける事件が起きた。 インドのニュースサイト「The Print」が報じるところによると、インド北東部オディシャ州マユルバンジ地区ライパル村に住む70歳の女性、マヤ・ムルムー(Maya Murmu)さんは、井戸で水を汲んでいた時に野生の象に襲われた。 このゾウは、隣接するダルマジャルカンド州にあるダルマ野生生物保護区から迷い込んだものとみられる。ライパル村とは約200キロ離れている。 襲われたムルムーさんは病院に搬送されたが、傷がひどく息を引き取った。その後、家族がムルムーさんの遺体を自宅に運び、葬儀の準備を進めていたそのとき、ムルムーさんを襲ったとみられるゾウが現れ、暴れ始めたのだ。 親族たち

    女性を踏み殺したゾウ、葬儀に現れ遺体を執拗に踏みつけ去る インド
  • ウルトラマンがウクライナ侵攻の時代に甦ることになった意味

    <3.11を踏まえて原作を震災ナショナリズムの物語に書き換えた『シン・ゴジラ』と違い、『シン・ウルトラマン』はあくまで原作の哲学を踏襲し、さらにコロナで公開が延期になるという偶然が重なって、啓示的な作品になった> 2022年5月13日、SF特撮映画シン・ウルトラマン』(企画・脚:庵野秀明、監督、樋口真嗣)が公開された。2015年公開の映画『シン・ゴジラ』のスタッフがつくる『シン・〇〇』シリーズの第二弾ということで期待が集まり、観客動員数は8日間で100万人を超えた。映画の内容については賛否両論がある。ウルトラシリーズのファンからは概ね高い評価を得ているが、「シナリオがダイジェスト的である」「演出面におけるジェンダー描写が古い」といった声も耳にしつつ、筆者も遅ればせながら鑑賞してきた。 ジェンダー問題について まず公開当初から大きな議論となっていた、演出やカメラアングルがヒロインの長澤ま

    ウルトラマンがウクライナ侵攻の時代に甦ることになった意味
  • 行動経済学の「理論」が当てはまらない、日本社会の「特殊すぎる」事情

    <人々の行動を「操作」しようとするナッジ理論だが、すでに過剰なほど父親的温情主義にあふれた日では「もう結構」と反応されてしまう> 神社のない山道で、5~6基の小さな鳥居が立っているのを見たことがある。こんな所にも神様が? これは知る人ぞ知る、各地で行われているポイ捨て対策だ。神社の周りにごみを捨てる日人はまずいないという事実を良いことに、神域ではない山道で神社を連想させ、ごみを減らそうとしているわけ。こういう「なんちゃって鳥居」はそれなりに効果があるらしい。 人間の心理を応用した、なかなか良いところに目を付けたと思う対策だが、同時に複雑な心境に襲われる。これ、人間版の「よけペットボトル」なのでは? 宗教観で人を操作して当にいいのか。 操作と言えば、ノーベル経済学賞受賞者のリチャード・セイラー教授らが提唱した「ナッジ理論」。ナッジとは「肘で軽く突く」という意味の英語で、政策上のメカニ

    行動経済学の「理論」が当てはまらない、日本社会の「特殊すぎる」事情
  • フィンランドが義務教育を延長、18歳まで全て無料!|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <一方、日を含む先進国の多くは15~16歳まで...> 国際学力調査で常に上位のフィンランドは、「誰一人取り残さない」が合言葉の底上げ教育が特徴だ。 そんな教育格差レスの国が昨年から乗り出したのが義務教育の延長。先進国の多くは義務教育終了が15~16歳だが、フィンランドは従来の16歳から18歳へ引き上げた。 これまでも大学院まで授業料は無料だったが、今後は18歳まで教科書や備品、学の費用が全て無料に。 狙いはさらなる教育の平等、そして国民総「高スキル人材」の実現だ。社会からの脱落や孤立化を防ぎ、労働市場でも「誰一人取り残さない」を目指す。

    フィンランドが義務教育を延長、18歳まで全て無料!|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    kaeru-no-tsura
    kaeru-no-tsura 2022/05/07
    >これまでも大学院まで授業料は無料だったが、今後は18歳まで教科書や備品、学食の費用が全て無料に。狙いはさらなる教育の平等、そして国民総「高スキル人材」の実現だ
  • 『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論争 NEWSWEEK

    <保護責任が厳しく問われるアメリカでは、子どもを一人でお使いに出すことは「非常識極まりない」はずだが......> 日のNTV系列が放送している長寿番組『はじめてのおつかい』の中から、諸条件に合致したエピソードの放映権がNetflixに売却され、この4月1日から「Old Enough」(「(単独行動をするには)十分に大きい」)というタイトルで世界各国で視聴されるようになりました。一番幼い場合は3歳児未満という幼児が、親に頼まれて「一人でお使い」に行くというリアリティー・ショーですが、アメリカでは大変な話題になっています。 アメリカでは、州によって若干の違いはありますが、基的に13歳未満の子供に対しては保護者の監視が義務付けられています。ですから幼児に一人で街路を歩かせていることが判明した場合には、その幼児は即座に保護され、保護者は逮捕されるばかりか、そのような「危険な状態を見て見ぬふり

    『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論争 NEWSWEEK
  • 落書きや放置自転車の発する「秩序感の薄さ」が犯罪を誘発する

    <不法投棄された家電ゴミの多い場所、水質の悪い河川の流域など、「無関心のシグナル」が強いところで犯罪は起きやすい。「小さな悪」が「大きな悪」を生み出す心理のメカニズムとは> 「場所の犯罪誘発性」に注目する「犯罪機会論」は、半世紀前に産声を上げた。それ以降、犯罪者が選んだ場所(犯行現場)の共通点を探ってきた。共通点さえ抽出できれば、それを「ものさし」にして、犯罪者が選んでくる場所(未来の犯行現場)を予測できるからだ。 研究の結果、犯罪発生の確率が高いのは「領域性が低い」場所と「監視性が低い」場所だと分かった。分かりやすい言葉を使えば、犯罪が起きやすいのは「入りやすい場所」と「見えにくい場所」だ。 したがって、このキーワードを「ものさし」にして、景色を解読することが防犯の基となる。犯罪者が景色を見ながら犯行を始めるかどうかを決めるように、私たちも景色を見ながら警戒すべきかどうかを決めればいい

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  • 上空で転倒して骨折のCA、客室乗務員が「若い女性」である必要はあるのか?

    <3月末、羽田発大分行きの日航空機が飛行中に突然揺れて客室乗務員の女性の体が宙に浮き、落下して腰の骨を折る、という事故が起きた。気の毒な限りだが、そもそもCAの採用基準は間違っていないか> 洪水のように日々流れてくるウクライナ情勢のニュースに些か傷気味になっていたところ、「JAL機大きく揺れ客室乗務員が腰を骨折」とのニュースを見た。3月26日羽田発大分行きの機内で、27歳の客室乗務員の女性がギャレーと呼ばれる作業スペースで転倒し、大けがを負ったのだという。機体が大きく揺れ体が宙に浮き、落ちて腰の骨を折ったらしい。気の毒な限りだが、やっぱり客室乗務員(CA)の採用基準は根的におかしいというのが、私の率直な感想だ。 コロナが始まってからはめっきり減ったが、コロナ前は、私も仕事で国内外に飛行機で移動することがしばしばあった。機内に入り、若い女性の客室乗務員から「接遇」(航空業界では接客では

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  • ロシア元国営通信ジャーナリストが語る、驚愕のメディア内部事情|ニューズウィーク日本版

    ロシア内外で反戦ムードが広がっている。サンクトペテルブルク(写真)では3月に入って反戦集会やデモが相次いでいる MARTON MONUーREUTERS <フェイクニュースを垂れ流し、「ボス」はプーチン。政府に反発してプロパガンダを妨害しようとする者もいれば、言われたとおりに仕事をしている者もいる。私は2015年にファクトチェックのサイトを作り、今年3月3日、国を出た――> ロシア人の調査報道ジャーナリスト、アレクセイ・コバリョフは3月初めにモスクワを離れ、ロシア国外から戦争の取材を続けている。彼の話を基にスレート誌のアイマン・イスマイルが構成した。 正直なところ、私がジャーナリズムの世界に入ったのは、ライブのチケットなどタダで手に入るものが目当てだった。 「声なき者に声を与える」など、高尚なことを言うつもりはない。この職業の真の理想と向き合うようになったのは、かなり後のことだ。しばらくは、

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  • 韓国で1日あたりの新規感染者数が60万人を超えた理由

    大統領選当日の新規感染者は34万2430人と過去最高を記録した(写真は野党候補・尹錫悦の支持者たち)Kim Hong-Ji-REUTERS <かつて韓国が誇った「K防疫」が破綻し、文在寅政権の任期も残り1カ月となった。新政権はどんな新型コロナ対策を推進していくのか注目される> 韓国で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。2022年1月に初めて1万人を超えた1日あたりの新規感染者数は、2月19日には10万人、3月2日には20万人を超え、3月17日は621,197人と過去最高を記録した。この日の韓国の新規感染者数を韓国と日の人口比(2020年基準で日の人口は韓国の約2.43倍)で単純に計算すると、日で1日に約150万人が感染したことになる。韓国の感染者数がいくら多いかが分かる。韓国の累計感染者数は2022年1月末以降感染者が爆発的に増加し、3月28日時点で1,200万人を突破した。

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  • エリザベス女王との昼食会で犬用おやつを食べた閣僚がいたことが発覚 | ワールド | for WOMAN|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <女王のコーギーのものだと気付くことなくべ終え、「特にチーズと珍しいビスケットが美味しかった」と語っていた> ジャーナリストで王室伝記作家であるロバート・ハードマンの新書『Queen of Our Times』に、ある昼会でのハプニングが紹介されている。 それによると2008年、エリザベス女王は、当時のアラン・ジョンソン保健長官とウェールズ大臣のポール・マーフィーとの会議後、2人をランチに招いていた。 特にトラブルもなく午後のひと時を過ごし終えた2人の閣僚。帰りの車に意気揚々と乗り込むと、マーフィー元大臣は「なんて素晴らしい料理なんだ。とても美味しかった」と、ランチで出された事について嬉しそうに語り出した。 しばらく料理の話を続けるなか、ふとジョンソン元保健長官がこう言った。 「特にチーズと珍しいビスケットが美味しかった」 それを聞いたマーフィー元大臣はハッとした。「いや、あのビスケ

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  • ヒトラーにたとえるのは「国際的にご法度」か|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    国際ホロコーストデー(1月27日)に、ベルリンのホロコースト記念碑に献花するイスラエルとドイツの政府首脳。世界でナチスがどのように語られてきたのか、日人も知るべきだ REUTERS-John Macdougall <菅元首相が橋下元維新の会代表の「弁舌の巧みさ」をヒトラーになぞらえたことに対し、橋下は「国際的にご法度」と反発。世間からははとくに異議も出ず、元首相の失言であるかのように事態は収束したが、それでいいのか> 1月21日、立憲民主党の菅直人元首相が、Twitterで元維新の会代表の橋下徹弁護士を「弁舌の巧みさでは......ヒットラーを思い起こす」と評した。これに対して橋下徹氏は「ヒトラーへ重ね合わす批判は国際的にはご法度」と述べ、また吉村洋文大阪府知事は「国際法上ありえない」と反発した。維新の会は、26日、立憲民主党に抗議文を送っている。 ヒトラーにたとえて批判することが「国際

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  • ドラマ『新聞記者』で感じる日本政治へのストレス

    カタルシスはなくても、現実の森友学園問題に即したドラマが作られたのは画期的(写真は2017年4月) Kim Kyung-Hoon-REUTERS <現実に即した結果、政府が正義と真実を曲げるだけ曲げて、最後までカタルシスがないドラマだが、事件の当事者たちは諦めずに真実を追求している> 2022年1月より、2019年に公開された映画『新聞記者』(藤井道人監督)のドラマ版がNetflix製作で配信され、話題を呼んでいる。今回のドラマは映画版とは異なるストーリーで展開している。どちらも政治腐敗とメディア統制を主題にしているのは一緒だが、映画版が加計学園問題を主題とし最終的には完全なファンタジーへと至るのに対し、ドラマ版では森友問題を中心に、より現実の不正事件をモデルとした物語を描こうとしている。 世間の評価 この物語は、日のドラマにしては珍しくアクチュアルな政治問題を真正面から扱っており、主に

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  • ドラマ『相棒』の脚本家を怒らせた日本のある傾向

    デモは市民の重要な権利の1つだが(写真は2021年8月、東京・新宿区の五輪反対デモ) Issei Kato-REUTERS <非正規雇用の待遇問題をテーマにした人気ドラマの元日スペシャルでは、正社員との待遇格差に抗議する女性たちを戯画化し嘲笑うようなシーンが足されていた> 1月1日、TV朝日の人気テレビドラマシリーズ『相棒』の特別編『相棒season20 元日スペシャル #11』が放送された。毎回好評のドラマスペシャルで、視聴率も14%を記録したそうだ。しかし放送直後、同作品の脚家である太田愛が自身のブログを更新し、脚の意図にはそぐわない、存在しないシーンが追加されたことを告発し、話題となっている。 今作は非正規雇用の待遇問題をテーマに、格差社会・自己責任論・新自由主義思想を批判する内容だったが、追加されたシーンは非正規雇用の待遇改善を訴える市民運動を揶揄するものであった。 この改変に

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  • 所得と貯蓄の世帯数集計で分かる、日本社会の「富の格差」|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <日で一番多いのは、年収100万円台で貯蓄ゼロの世帯という過酷な現実> 国民の生活は苦しくなっているが、その指標として使われるのは所得だ。1985年以降の推移を見ると、世帯単位の平均所得のピークは1994年の664万円だったが、2002年に600万円を割り、2019年では552万円となっている(厚労省『国民生活基礎調査』)。この四半世紀で100万円以上減ったことになる。中央値は437万円だ。世帯の単身化、高齢化が進んでいるとはいえ、国民の稼ぎが減っていることは明らかだ。 だが収入は少なくても(なくても)、貯蓄が多いという世帯もある。リタイアした高齢者世帯などだ。生活のゆとりの分布を知るには収入だけではなく、いざという時の備え、湯浅誠氏の言葉で言う「溜め」にも注目しないといけない。所得階級と貯蓄階級のマトリクスにて世帯数を集計した表が、上記の厚労省調査(2019年)に出ている。これをもとに

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