地上での移動を楽しむには、自転車、一輪車、キックボード、スケートボード、ローラースケートなど、様々なアイテムを利用できます。 一方で、水中での移動を楽しむアイテムは少ないように思えます。 この未開拓な分野に目を向けたフランスの会社「Seabike」は、水中自転車「シーバイク(Seabike)」を販売しています。 このアイテムを使うなら、足で漕いで、水中を超人的なスピードで泳ぐことができます。
精神病質(psychopathy)は、他者への共感や良心の著しい欠如を特徴とするパーソナリティ障害の一つです。 その特性の持ち主を指す「サイコパス」という呼び名は日本でもすっかりお馴染みとなりました。 サイコパスは人口全体の数%ほど存在するとされ、私たちの身近にも潜んでいる可能性があります。 そうした人物とはできるだけ付き合いを避けたいところですが、では、どうすればサイコパスを見分けられるのでしょうか? これまでの心理学研究がそのヒントを与えてくれています。 それによるとサイコパス特性が強い人ほど、会話中にほとんど頭を動かさないようなのです。
気温の上昇と共に、海で生じる水難事故が増加します。 溺れている人を助けることは簡単ではなく、助けに水中に飛び込んだ人が犠牲になる二次被害も後を絶ちません。 二次被害を起こさずに溺れている人を助ける1つの方法は、「救命浮輪」を用いることです。 しかし、溺れている人に上手く浮輪を投げ込むことはかなり困難です。さらに離れた場所で溺れている人に対しては浮輪を届ける手段がありません。 中国のドローン会社「Didiok Makings」が開発した救命浮輪ドローンは、そんな救命浮輪の限界を打破しています。 この浮輪型ドローンは、溺れている人の元へ飛んでいくことができ、そのまま救命浮輪として助けることができるのです。 Hybrid rescue drone flies out to swimmers and becomes a lifebuoy https://newatlas.com/drones/ty
ピラミッドと聞けば、大半の人はエジプトを思い浮かべるでしょう。 しかし実は、世界最古のピラミッドが存在するのはエジプトではありません。 現在、最も古いピラミッドの筆頭とされるのは、インドネシア西ジャワ州にある「グヌン・パダン(Gunung Padang)遺跡」です。 インドネシア国立研究革新庁(BRIN)はこのほど、過去十数年のフィールドワークの結果を踏まえた最新報告を行いました。 それによると、グヌン・パダンの建造年代は最も古い部分で少なくとも1万6000年前、最大だと2万7000年前と推定されたという。 これはエジプトのピラミッドのみならず、世界最古の巨石遺構である「ギョベクリ・テペ(トルコ)」よりも遥かに古い可能性を示すものです。 研究の詳細は、2023年10月20日付で学術誌『Archaeological Prospection』に掲載されています。
量子もつれは時間を超えるのでしょうか? 英国のケンブリッジ大学(University of Cambridge)で行われた研究によって、量子の世界では未来で行われる観測の力で、過去の観測結果をタイムトラベルしたかのように捻じ曲げられることが示されました。 SFでは、過去を変えるためにタイムマシンに乗って過去の世界に行くことがあります。 これまでの研究では、そのような時間遡行が行われた場合に使用される原理や、祖父殺しのパラドックスを避ける方法などが考察されてきました。 一方、今回の研究では「量子もつれのシステムがタイムトラベルだった場合」を想定したシミュレーションが行われており、粒子が時間を遡行できた場合に何が起こるかが調べられました。 結果、量子もつれの操作によって、時間遡行のような結果を導けることが示されました。 研究者たちはプレスリリースにて「ギャンブラーや投資家たちも、場合によっては
これまで、ゲームのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)といえば、決まり文句を繰り返すだけの無機質な存在でした。 ところが近年急速に進化している会話型AIの導入によって、ゲームのプレイヤーは、NPCとのフリートークが可能になるかもしれません。 AI開発企業「Inworld AI」は、NPCと自由な会話を楽しめるゲームデモ「オリジンズ」を発表しました。 このゲームでは、それぞれの性格や知識を持った20以上のNPCとの会話を通じて、事件の真相にたどり着くことを目指します。 Unscripted AI NPCs in a first-of-its-kind Unreal Engine demo https://inworld.ai/blog/origins-unreal-engine-demo?utm_campaign=origins&utm_medium=social&utm_source=tw
未来では同性間の子供が普通になるかもしれません。 九州大学で行われた研究により、iPS細胞技術を用いてオスマウスの皮膚から卵子を作り、これを受精させて7匹の赤ちゃんマウスを誕生させることに成功しました。 新たに生まれた赤ちゃんマウスは代理母の子宮を借りて生まれてきましたが、遺伝的な意味での母親は存在せず、卵子の元となる皮膚を提供した父マウスと精子を提供した父マウスの2匹だけが存在します。 しかし、オスの細胞から卵子を作るにはY染色体を取り除く必要があり、これが非常に困難だと考えられていました。 一体今回の研究はどうやってオスマウスの細胞から、卵子を作ったのでしょうか? 研究内容の詳細は2023年3月8日にロンドンで開催された『第 3 回ヒトゲノム編集に関する国際サミット』にて発表され、論文は現在『Nature』に提出中となっています。
便座に座ったままトイレの水を流したとき、かなりの水飛沫がお尻に当たるのを感じたことがあるでしょう。 これはトイレの水を流したときに、もし人やフタが乗っていなければトイレの水はかなり空中に飛散していることを意味しています。 あまり考えたくない問題ですが、アメリカ・コロラド大学ボルダー校(CU-Boulder)に所属するジョン・クリマルディ氏ら研究チームは、レーザーを用いてトイレの水を流したときにどれだけのエアロゾル粒子が空気中を舞うか可視化する実験を行いました。 映像を見たら、きっとあなたは「フタを閉じてから」トイレの水を流したくなるでしょう。 研究の詳細は、2022年12月8日付の科学誌『Scientific Reports』に掲載されました。
海は絶えず波打っていて、それは自然の生んだ大きなエネルギーを伝達しています。 これを利用した再生可能エネルギーが波力発電です。ただ、この発電方法は発電量に対するコストが高いという問題がありました。 そこでイギリスを拠点とする研究開発会社「Sea Wave Energy Limited (SWEL)」は、10年以上にわたる研究の末、低コストで波のエネルギーを電力に変換する波力発電機「ウェーブラインマグネット」を開発。 最新バージョンでは、ユニットあたりの発電出力が100MWに達する可能性もあると言われており、これは約2万8000世帯分の電力に相当します。
非常に低温の環境では、自然に形成された細い氷の台座の上に不安定に石が乗っかる謎の現象が確認されています。 主に低高度の氷河や、ロシアのバイカル湖などで確認されるこの現象は、見た目が日本庭園の石に似ていることから「バイカル禅(Baikal Zen)」と呼ばれています。 これまでこの現象についての予想はあったものの、同じ現象を実験室で再現することはできずにいました。 しかし、フランス国立科学研究センター(CNRS)はこの現象を実験室で再現することに成功し、その動画を公開しています。 研究の詳細は、今週、科学雑誌『米国科学アカデミー紀要:PNAS』に掲載されるとのことです。 Zen stones naturally placed atop pedestals of ice: A phenomenon finally understood https://phys.org/news/2021-09
がん治療の未来はフキノトウが握っているかもしれません。 9月1日に、日本の岐阜大学の研究者たちにより『The Journal of Clinical Investigation』に掲載された論文によれば、日本原産のフキノトウの苦味成分から、極めて強力かつ副作用の少ない、抗がん作用のある化合物「ペタシン」が発見されたとのこと。 効果は動物実験においても確認されており、がんになったマウスの腹腔(横隔膜の下)にペタシンを投与することで、がん細胞の増殖と転移を防ぎ、縮小させることにも成功。 さらにマウスの体には、目立った害も現れなかったそうです。 しかし、どうしてペタシンに、これほどの抗がん作用があったのでしょうか? 以下では、発見につながった研究者たちの地道な努力を紹介しつつ、ペタシンの秘密に迫っていきます。
ダイヤモンドの形成方法については、まだまだわかっていないことが多いようです。 オーストラリア、カーティン大学による新しい研究は、地下400km以上という地中深くにあるダイヤモンドが、元生物で構成されていることを発見したと報告。 ダイヤモンドの起源は地球奥深くのマントルですが、そこに生き物由来の有機炭素があるようで、その原因は現在不明です。 研究の詳細は、8月20日付けで科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。 Some Rare Diamonds Form Out of The Remains of Once-Living Creatures, New Study Finds https://www.sciencealert.com/rare-diamonds-are-actually-made-of-once-living-organisms-and-form
本当にすべての物体が引き合っているの?アイザック・ニュートン(ゴドフリー・ネラー画)。 / Credit:Wikipediaりんごが木から落ちるのを見るまでもなく、地球上のあらゆる物体は地面に向かって引っ張られています。 それはずっと古代から人々の疑問でした。 アリストテレスは「万物には本来あるべき場所へ戻ろうとする力が働くのだ」と考えました。 彼は鳥が巣へ戻るのも、地面から持ち上げた物が地面に戻っていくのも、同じ原理によるものだと考えたのです。 しかし、太陽や月をはじめとする天体は、空を移動し続けていてあるべき場所があるようには見えません。 物体を地面に引き寄せる力とはなんなのか? それはずっと長い間人類にとっての謎だったのです。 この問題に大きな転機を与えたのが、17世紀の偉大なる科学者アイザック・ニュートンです。 ニュートンは物体に働く「力」というものを明確に定義することで、力の作用
分子の振動からエネルギーを取り出すのは不可能とされていた原理を簡略化した図。グラフェンの分子振動(ブラウン運動)からエネルギーを取り出して電球を光らせる / Credit:アーカンソー大学 / youtube分子のブラウン運動からエネルギーを取り出すアイディアは古くから存在しました。 ブラウン運動とは熱を持った分子が振動する現象のことで、絶対零度以外の熱運動をする分子にみられる現象です。 もしこの分子のわずかな振動をエンジンのピストン動作に見立てて電力に変換することができれば、空気の温度そのものを電力源にすることが可能になり、既存の電池やバッテリーを置き換える全く新しい電力装置が誕生します。 ファイマンがブラウン運動からエネルギーを取り出すのが不可能であることを説明するときに使った架空の装置。歯車のまわる方向が歯車の形と逆回転を防ぐ爪で決められている。このとき右側の帆にランダムに分子が衝突
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