たとえば、A社の株価は1000円で、1株利益が100円ならば、PERは10倍。現在の株価は、10年分の利益に相当する。同じ株価でも、1株利益が50円のB社は、PER20倍。投資金額の1000円が10年で回収できるA社の株のほうが、回収に20年かかるB社より割安と考えられる。 一方で、PBRは株価を1株純資産で割ったものだ。「1株純資産のほうが株価より高い=PBRが1倍以下」ということは、たとえば会社が解散して、資産が還元された場合に、株主に利益が生じるということ。 「PERとPBRは、『業種平均』と比較することが非常に重要です。たとえば、製造業などの業績は、為替や原油価格、金融政策などの外部環境に左右されやすく、内需企業である小売業、食品、医療品などはある程度の業績が見通せます。業種が違えば、利益の条件がそれぞれ違うので、株価の割安度も変わるのです」(石川さん) つまり、一つの銘柄だけを見