筒井筒(つついづつ、つついつつと読む場合も。旧かなでは「つつゐづつ」)とは、丸く掘った井戸の井戸側(いどがわ)、わくのこと[1]。『伊勢物語』、『大和物語』中の物語の題材のひとつとして有名であり、互いに惹かれていた幼馴染の男女が結婚することを内容としている。『伊勢物語』の古い本文では「筒井つの」。 伊勢物語[編集] 二十三段[編集] 井戸の周りでたけくらべをする幼なじみの男女 むかし、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとにいでてあそびけるを、おとなになりければ、男も女も恥ぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども聞かでなむありける。さて、この隣の男のもとよりかくなむ。 筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに 女、返し、 くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき などいひいひて、つひに本意のご