カスハラ対策のロールプレー(役割演技)で、悪質なクレームをつける顧客の夫役(中央)と妻役(左)=大阪市北区の関西大梅田キャンパスで2019年8月26日、加古信志撮影 顧客らによるカスタマーハラスメント(カスハラ)で精神障害になったとする労災認定が相次いでいる。民間だけでなく、地方自治体の職員の被害も深刻だ。パワハラ防止を企業に義務づけた改正法はカスハラを想定しておらず、対策は遅れている。【大島秀利】 流通やサービス業などの産業別労働組合「UAゼンセン」(東京都千代田区)の流通部門が昨年9月に報告したアンケート(約5万人回答)では、顧客から迷惑行為を受けた影響として54・2%が「強いストレスを感じた」と答えた。「軽いストレスを感じた」(37・1%)と「精神疾患になった」(0・5%)を含めると91・8%に上った。関西大の池内裕美教授(社会心理学)は「深刻な精神疾患を患った従業員は、アンケートの