著者: ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ) 自室、スタジオ、ライブハウス、時にはそこらの公園や道端など、街のあらゆる場所で生まれ続ける音楽たち。この連載では、各地で活動するミュージシャンの「街」をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けします。 ◆◆◆ 2002年、社会人一年目。夢にまで見た東京での暮らし。 埼玉の実家から東京までの通勤は片道一時間半もかかっていたし満員電車でしんどい。家にいて親から小言を言われたくない、朝から晩まで音楽制作に没頭したい、なにより自分の力で生活してフリーダムな毎日を送りたい。 会社員として働き始めて半年ほど経ち、そんな思いがふつふつと湧いていたある日。私は専門学校時代に出会った同級生と結託し、東京でルームシェアをすることに決めたのだった。 親元を離れ、初めての自給自足の生活。掃除、洗濯、自炊などの家事はお互いそこそここなすことができて、それほど不自由は
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