例年より早いスピードで、桜前線が進んでいるが、この季節になると、いろいろな情景が思い出される。 母が新学年を迎える私のために雑誌の型紙を手にミシンを踏む姿や、定年を迎えた国文学の先生が「久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ」(古今和歌集、紀友則(きのとものり))の歌をあげ、「妻を亡くした今の自分に最も慰めとなる歌です」と語られて教壇を去られた姿などである。 すべてのことは留(とど)まることなく流れていく。出会いと別れは世の常であるが、しかし別れの中にこそ永遠の絆が結ばれる“不思議の力”があることを、日本人の多くは古今、桜を見ながら感じ入ってきた。 昭和27年にサンフランシスコ講和条約が発効され、日本が主権を回復した4月28日、このたび政府は主権回復記念の式典を行うことを閣議決定した。 昨年の主権回復60周年の自民党式典で、私は教育の分野で占領時代に何が行われたかを講演
沖縄県八重山地方(石垣市、竹富町、与那国町)の中学公民教科書採択問題で、竹富町教育委員会は27日、八重山採択地区協議会が選んだ育鵬社版を使用せず、平成25年度も東京書籍版を使うことを確認した。 文部科学省は1日に義家弘介政務官を同町に派遣し、協議会の答申通りの教科書を使うよう指導したが、これに反する結論に。義家氏は指導に従わない場合は地方教育行政法に基づく是正要求も検討するとしており、今後の対応が注目される。 竹富町教委は23年8月、育鵬社版を選んだ石垣市や与那国町と異なり、東京書籍版を採択。教科書無償措置法は採択地区内で同一の教科書を使うよう定めているため、文科省は竹富町を無償給付の対象にしなかった。 竹富町は24年度に続いて寄付金で30冊の東京書籍版を購入し、生徒に配るという。
文部科学省は今回の教科書検定での修正過程などが分かるように、5月末以降に全国7会場で関係資料を公開する。公開するのは申請段階の教科書と検定に合格した教科書の見本、教科書検定審議会の検定意見書や議事要旨、修正前後の記述を対照した修正表など。 会場と公開期間は次の通り。開場時間や休館日は各会場によって異なる。文科省ホームページにも4月以降、順次掲載する。 北海道庁旧本庁舎(札幌市)6月4~13日▽埼玉会館(さいたま市)6月11~20日▽公益財団法人教科書研究センター(東京都江東区)5月28日~6月20日▽石川県教育センター(金沢市)6月11~20日▽大阪府教育センター(大阪市)6月21日~7月2日▽岡山県立図書館(岡山市)7月11~21日▽福岡県立図書館(福岡市)7月19~30日
4月からの新学習指導要領完全実施で、高校の英語は「英語による授業」が基本となる。今回検定された教科書は「オール・イングリッシュ」に対応できるよう工夫されているが、現場の教員から「混乱するのでは」「入試に対応できるのか」と不安の声も上がる。 教科書の記述では日本語が減り、英語での質問や指示が目立つ。東京書籍のコミュニケーション英語Ⅱでは、英語で自分の意見を述べるよう求める質問が盛り込まれた。担当者は「グローバルな人材を育てるためにも『先生が訳して終わり』ではなく、英語での自己発信も大切」と話す。 3年間で学ぶ単語数は1300から1800語に増え、うちコミュニケーション英語Ⅱでは700語程度。申請された教科書の1冊の平均新語数は808語だった。新語が515で「扱いが不適切」と検定意見が付いて、676語まで増やした教科書もあった。 ただ、ある教科書会社の担当者は「英語での授業で大学入試にも備える
□英語・音楽に登場 「脱原発」強調も 26日に検定結果が公表された高校教科書(主に2、3年生用)では、東日本大震災の記述が半数近い、47%で取り上げられた。昨年度の検定では、震災発生から申請締め切りまで間がなかったため、数行程度や年表だけという教科書が多かった。東京電力福島第1原発事故も25%で取り上げられ、エネルギー問題などを中心に記述が増加。また、申請段階で「脱原発推進」を強調して取り上げる教科書もあった。 ◇ ■震災 132冊のうち47%に当たる63冊で記述された震災は、昨年度検定時の24%から倍増し、数学と保健体育、情報を除く全教科に記述があった。 英語には、被災地支援のため、ZARD(ザード)の「負けないで」を演奏した高校生らの活動が感動を呼び、多くの寄付が寄せられたことなど42冊中8冊に震災が登場した。音楽でも、震災直後にラジオで繰り返し流さ
歴史的経緯詳述なし 日本固有の領土をめぐる問題が相次ぎ、子供たちへの領土教育の必要性が高まる中、検定結果が公表された高校教科書では北方領土、竹島、尖閣について歴史的経緯などを詳述したものはなかった。いずれも他国の教科書に比べ、領土に関する記述が薄く、子供たちが理解を深められるとは思えない内容だった。領土について、学習指導要領の解説書は「わが国の領土・領域について理解を深めさせる」ことを求めている。しかし、尖閣は6冊のうち3冊について検定意見が付いた。 清水書院は日本固有の領土と明示しなかったため、「わが国の領土と理解しがたい」との意見が付き、「沖縄県に所属する」と書き加えて合格した。山川出版社と実教出版は、日本が実効支配し領土問題は存在しない尖閣と、韓国が不法占拠する竹島を同列に扱ったとして修正を求められた。他国の主張を強調も 竹島について「韓国が不法占拠」という日本の公式見解を記述した教
多くの歴史上の人物が登場する高校の社会科教科書では、おなじみの肖像画が「別人」と判明して掲載されなくなったり、説明を変更したりするケースが近年相次いでいる。代表的なのは源頼朝と足利尊氏。実教出版の日本史Bでは、2人の肖像画をめぐる話題をコラムで取り上げた。 黒い馬にまたがり、刀を担ぐ武将。かつて「足利尊氏像」とされていた肖像画だが、現在は単に「騎馬武者像」とされ、他社の教科書にもあまり掲載されなくなった。コラムは、馬具の家紋などから「(尊氏の重臣の)高師直(こうのもろなお)、あるいはその一族の者と理解されるようになった」としている。 源頼朝として有名だった神護寺(京都市)所蔵の肖像画も「伝源頼朝像」と記載。頼朝像の真偽をめぐっては、冠の特徴などにより50年以上前から多くの疑問が出されていたと説明している。 また、東大寺南大門の金剛力士像はこれまで、仏師の運慶と快慶による制作とされてきたが、
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