「公共企業家」が中国で「静かに」ではあるが、存在を示し始めている。社会問題の解決に積極的に関わり、公共空間の形成に貢献する企業家のことだ。同様の活動に励む「公共知識人」はよく聞く言葉だが、「公共企業家」はあまり耳にすることがなかったもしれない。一部の企業家が公共企業家を自称したり、メディアが公共企業家を取り上げたりするようになったのはごく最近である。ビジネスの成功によって注目される企業家たちは強力な発信力を持っており、特にインターネットを駆使して世論に大きな影響を与えるようになった。腐敗が当たり前のように横行する社会の荒廃ぶりを悲観し、市民運動を核とする変革を訴える企業家もいる。 自らの在り方や身の置きどころを 探そうとする企業家たち しかし、こうした動きは大々的に広がっているわけではなく、「静かに」進んでは後退し、また進むという状態だ。中国の進める社会主義市場経済は自由で公平な競争を阻害