中国の胡錦濤・共産党総書記は2008年の大晦日、台湾に平和統一を呼び掛けた1979年の「台湾同胞に告げる書」発表30周年の座談会で「手を携え両岸の和平発展を推し進め、中華民族の偉大な復興を実現しよう」(新華網 08年12月31日)と題する談話を発表した。談話は6項目からなるため「胡6点」(「談話」と略)と呼ばれ、王毅・国務院台湾弁公室主任は「この重要講話は新形勢下の台湾工作を指導する綱領的文献」(「人民日報」09年1月16日付)と位置付けた。 その特徴をざっと挙げると①「平和統一」を強調せず、胡錦濤政権の対外政策の基本である「平和発展」を台湾政策にも適用②党の公式文献として初めて「台湾意識」と民主進歩党に言及③台湾の国際組織参加の原則を提示-など、注目すべき点が盛り込まれている。談話の発表が大晦日だったこともあってか、日本の新聞などメディアの報道は「台湾の世界保健機関総会(WHA)へのオブ