11/3に紹介したWCIブログエントリのコメント欄で、Nick Roweは中央銀行のシニョリッジの定式化を試みている。以下にそれを(多少手を加えて*1)紹介する。 中央銀行の資産をAと置く。簡単のため、自己資本は無視し、負債Lはすべて紙幣であるものとする(A=L)。 また、ベースマネーの需要が名目GDPに比例すると仮定し、中央銀行がそれに応えるために、名目経済成長率gに比例して紙幣供給を増やしていくものとする。すなわち、今期はgAだけ紙幣供給を増加させる。翌期には資産=負債は(1+g)Aに膨らんでいるので、今度はg(1+g)Aだけ紙幣供給を増加させる。翌々期の増加分はさらにその(1+g)倍のg(1+g)2Aである。 このようにして逓増させる紙幣供給の増加分がシニョリッジであり、その割引現在価値は、以下の式で表される。 ここでrは割引率である。紙幣の名目金利は0、実質金利はインフレ率×(-1