原発依存の精神構造―日本人はなぜ原子力が「好き」なのか― 斎藤環 原爆を落とされても、原発事故が起こっても、なぜ原子力信仰は揺るがないのか。安全/危険の不毛な二項対立を越えるには、どうすればいいのか。象徴・反復・否認・両価性・無常観……精神分析的視点から、親/反原発を問わず全ての日本人の心に潜在する「享楽」の正体を読みとく。閉塞状況に風穴を開ける新しい脱原発論。 ISBN:978-4-10-314052-8 発売日:2012/08/31 本書は二〇一一年九月から二〇一二年五月にかけて文芸誌「新潮」に掲載された斎藤環の連載評論「“フクシマ”、あるいは被災した時間」をまとめたものである。単行本化にあたりタイトルが変更された。新しいタイトルは本書全体の紹介となっており、連載時のタイトルはその出発点にあった問題意識を伝えている。原発事故は我々の時間意識を完全に変更させてしまった――これが本