ベトナム中部、ビンディン省の農村へ行ってきた。ちょうど稲刈りの季節ののどかな農村風景を見ることができた。ビンディン省は、ベトナムの中でも工業化が遅れた地域であり、所得も低く、昔からの変わらぬ農村風景が残っているのは、経済発展の後れの裏返しでもある。 しかし、筆者には見慣れているはずの農村風景も、じっくり見てみるとちょっとした違和感を覚える。まず目を引いたのは、刈られた稲が作る不思議な幾何学模様である(写真1)。この地域特有の稲刈りの慣習でもあるのかと地元の人に聞いてみると、これは近年、稲刈り機の導入にともない見られるようになったものだという。 写真2がその稲刈り機である。見てのとおり、日本から輸入された中古の草刈り機(刈払機)に長い歯をつけた改造品である。さらに歯の周りにガードをつけ、刈った稲が一定方向に倒れるような工夫も施されている。ベトナムの他の多くの地域では、1台200万円以上するコ
11月24日の日曜日、香港の抗議活動は山場を迎えることになる。香港で唯一民意を示せる「区議会選挙」が実施されるためだ。選挙結果は今後の抗議活動に大きな影響を与えることになりそうだ。香港中文大、香港理工大における抗議活動を克明に報告してきた若手日本人研究者、石井大智氏による現地緊急リポート第3弾。 第1報はこちら 第2報はこちら 私は文化人類学を専門とし、特に香港政治から排除されたエスニックマイノリティーに焦点を当てて研究を続けている。本来は香港の政治についての専門家とは言えない立場だが、今や香港の政治的混乱は抗議活動や警察の強硬な制圧によって人々の暮らしに直接的影響を与えているため、文化人類学の研究という意味でも政治とは無縁ではいられない状況になっている。 日本でしばしば報道される「中国(香港)政府VS香港市民」という対立構造よりも現実は複雑だ。その点を理解しなければ香港が取れる選択肢や、
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