前回の記事の続き。このところも松竹信幸氏や紙屋高雪(神谷貴行)氏の除名騒動があって、『日本共産党の研究』(1978年刊)の頃に似た空気が生まれているが、著者の立花隆氏はなぜそうなるのかの理由をあっけらかんと、ズバリ書いている。 反対派追い出しが象徴する党内言論の自由の圧殺に関して、共産党中央がその説明に必ず用いる詭弁は、 「彼らが追い出されたのは反対意見を述べたからではない。反対意見を述べる自由は党内で保障されている。彼らが除名されたのは、すべて反党行為、分派活動などの規律違反を犯したからだ」 というものである。この説明は、形式的にはいかにも正しい。そして、この形式的にはいかにも正しい説明が、スターリンの権力確立過程にもそっくりあてはまる。 実権を握った官僚主義者が非従順な知性を追い出していく一般的な手法が、これなのである。官僚主義的な行政手段や手続きを駆使して、相手が屈服し非従順な知性た