「緊急タスク!私のアイスクリームが溶けそう。助けて!!」。チームの一人にこう声をかける。そこから情報が伝達され、1~2分以内にチーム全体が部屋の片隅に置いたアイスキャンディーめがけて集まっていく。午後、ちょうど疲れてきている若者には甘いアイスキャンディーはいいリフレッシュメント(おやつ)になる―。 これは人材育成のワークショップの一環で、情報伝達とはどういうことかを体験するゲームだ。具体的な指示がなくても、チームが状況を理解して動ける事実を観察するためのツールでもある。慣れてくると、筆者の姿を見るだけで動き出す。 このゲームを「アイスブレーキング」と呼んでいる。「アイスクリーム」と、コミュニケーションを妨げる障害を取り除く「アイスブレイク」を掛け合わせた造語だ。元受講生は社内ですれ違えば、「ヤスさん、アイスありがとう!」と笑顔で声をかけてくれる。 筆者がITエンジニアの新人研修に携わるよう