昨年11月、米国でオバマ大統領が再選され、中国の最高首脳として習近平・共産党総書記が選出された。新体制下の米中、すなわち世界第1位と第2位の経済大国はいよいよ覇権争いを本格化することになる。その主戦場は太平洋である。地理的に米中の中間に位置する太平洋国家、日本の立ち位置はどうあるべきか。覇権争いと言っても、共に核兵器大国である米中が武力に訴えることはできない。だから米中間の「新・冷戦」が続くと言えるだろう。 米中は互いに戦争は避けるが、双方とも背後に武力をちらつかせながら、覇権をめぐる攻防は必死で展開する。中国は米国から覇権を奪おうと死力を尽くすし、衰え始めたとはいえなお唯一の超大国アメリカは、1日でも長く覇権を持ちこたえようと防戦に努める。長年日米安保体制にどっぷり浸かってきた日本は、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張激化をアメリカの庇護下に入り込んで凌ごうとしているが、果たして破局を回避でき