クッキングパパの料理が生まれる厨房で話をする漫画家・うえやまとちさん=福岡県福津市宮司浜、森下東樹撮影 悩みがあっても、仕事でへまをしても、おいしい料理がすべてを解決してしまう。料理漫画「クッキングパパ」は28年間、そのワンパターンを崩さない。はやり廃りの激しい世の中で、時代を超えて愛されるには何が必要か。作者のうえやまとちさん(59)に、その秘密を聞いた。 物語は、主人公荒岩一味(あらいわかずみ)の勤める金丸産業(架空、福岡・天神)とその家族を中心に進む。社員は家族同然のつきあいを続け、社員旅行や鍋パーティーとイベント盛りだくさん。「今の時代、職場の雰囲気はかなりドライ。こんな会社はもう残っていないでしょう」と、うえやまさん。アットホームな空気の中で、まるで水戸黄門の印籠(いんろう)のように「料理」がすべてを解決する「定形」は「ファンが望んでいる。変えてはいけない」。 一方で、漫画の雰囲