初めて〈医療用マリファナ〉と聞いた時、冗談でしょと思った。承知のように、日本では、「大麻取締法」によりマリファナ(大麻)の取扱いは厳しく制限されている。医の現場で、マリファナを使用することはまったく不可能だ。大麻といえば、暴力、衝動、快楽、犯罪のイメージ。実際――これはアメリカでの話なのだけれど――マリファナを吸った友人たちがケタケタと笑い出したのを見て、異様に感じた思い出が私にはある。 ところがアメリカでは現在、私が住むカリフォルニア州を含む25州とワシントンD.C.が、なんらかの形でマリファナの医療的使用を合法としている。アメリカ以外でも、オランダやカナダ、イスラエル他の先進諸国で、マリファナの医科学的研究がダイナミックに進行中と聞く。
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