ひょんなことから、宮沢賢治を読む機会があった。わざわざ本を購入しないまでも、教科書で作品が紹介されているので、宮沢賢治に全く触れずに大人になるというのは難しいはずである。短い作品を2、3つ読んで数日して、ふと書店をのぞいてみると、この本があった。オノマトペに特化した本まであるのか。さすが宮沢賢治だ。宮沢作品の中で、ところどころで頭に刻み込まれるのがオノマトペである。 宮沢賢治のオノマトペ集 (ちくま文庫) 作者:宮沢 賢治 発売日: 2014/12/10 メディア: 文庫 オノマトペは、いわゆる擬声語や擬態語。フランス語源だがもはや日本語になっていると言えるだろう。英語では、onomatopoeia と綴る。英語だと、目をそむけたくなる。 この本は、賢治作品に出てきたオノマトペを、気象、水、光や、歩く、笑う、泣くなどと章立てしてジャンル別に紹介している。例えば、静かな様子の「シイン」なら、