東京都央央区―わたしは今、とびきり粋な名前の区に住んでいる。人にそう言うと「東京二十三区の中に央央区なんて名前の区はないんじゃないか」と言い返されることが多い。しかし、二十三区を数え上げてみると、誰しも五〜六区くらい思い出せない区があるはずで、その中の一つに央央区があると思えば問題ないだろう。それでも納得がいかないのであれば、今度は自分の体について考えてみればいい。人体の臓器を表すのに五臓六腑という言葉があるけれど、大部分の人は、心臓、肺、胃、大腸、小腸…このあたりで挫折するに違いない。自分の体ですら、すべてを把握するのはなかなか難しい。人体についての理解を深めるために、ひとまず脾臓など普段話題にのぼらない存在にスポットライトを当ててみよう。脾臓を悪くするような食べ物を皆が積極的に口にし、脾臓のありがたさを知るようにすれば、脾臓の存在感を浮き彫りにすることができるのではないか。たとえば、甘