もちろん、原発関連の政府発表やメディアの報道がすべて真実なのかは不明な部分もある。だが、震災から6年が経って「いまさら言われても」という思いが先に立つ。 なにより、中国人が福島原発の健康被害を心配するのはナンセンスだろう。彼らが東京や大阪に旅行して受ける(かもしれない)放射能の影響よりも、大気汚染が激しい中国の都市部で普通に呼吸し、街の食堂で怪しげな食材を食べてるほうがはるかに健康に悪いはずなのだ。日本の政府やメディアの透明性も、少なくとも中国よりはマシだし、インターネット上の情報統制も存在しない。 しかし、中国国内のテレビとネットで情報を知ったという彼らの不安は消えない。彼らは国有銀行の行員や企業経営者など中国社会では「勝ち組」揃いで、英語が話せて海外経験も豊富な人たちだが、それでもなかなか納得しないのだ。放射能が怖いから銀座で寿司を食べるのもやめようか、少なくとも子どもを日本に連れて行