ふかひれとは、鮫のひれを乾燥させて作られる食材のこと。その形を保ったまま、ふっくらととろけるように煮込んだふかひれ姿煮や、ひれの繊維1本1本ほぐして作る黄金色のふかひれスープは、中国料理を代表するご馳走です。 ふかひれ姿煮 ふかひれスープ そんな中国名菜となっているふかひれの原料は、実は日本から中国に輸出されてきた歴史あるもの。 特に東北地方、三陸産のふかひれは、干し鮑、干しナマコと並び、江戸幕府が長崎から中国の清朝(1636-1912年)に輸出していた俵物三品のひとつでした。 これらは日中問わず、中国食材店で「乾貨」と呼ばれていますが、それは金銀銅の代わりに決済ができるものだった名残。今も昔もふかひれはとっておきの食材なのです。 鮫の尾びれを乾燥させた「原ビレ(げんびれ)」と呼ばれるふかひれ。 そこで今回の「食材狩人」でご紹介するのは、鮫のひれがふかひれになるまでの一連の過程と、産地にお