田舎で一人暮らしの85歳の母から「最近、手足が不自由で一人で生活するのがきつくなってきた。なんとか面倒をみてもらえないか」という手紙がきました。田舎には長男である兄夫婦がいるのに、他家に嫁いだ私にも親を扶養する義務があるのですか? 年をとれば誰でも体が衰え収入も減るなどして、一人で生活するのが困難になり誰かの扶けが必要になります。親の老後は長男がみるのが当たり前と考えている人が多いようですが、法律はどうなっているのでしょうか。 今回は、法律で定める扶養義務者は誰なのか、扶養の程度、順位、方法などについてご紹介します。 民法では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。」と定めています。子供の親に対する扶養義務は、長男・次男や男女の別、結婚の有無に関係なく全員あるということです。また、祖父母と孫にも互いの扶養義務があります。 そして、特別な事情があるときは、家庭裁判所は3親等内の親