「エネルギーセクターの再編とスマートグリッドの登場は、サイバーセキュリティの問題をおおかた見過ごしてきた。攻撃に対する電力会社の準備はさんたんたるものだ」。これは、電力供給業界のセキュリティに関する米ABIリサーチの調査報告である。この報告書の内容を、スロバキアのイーセットがブログで紹介している。 世界的に見て、電力グリッドはますますサイバー攻撃を受けやすくなっている。ABIリサーチはその要因として、工業制御システムを使用している点を指摘する。工業制御システムは認証手段が不十分で、暗号化機能はほとんどなく、侵入検知機能も備えていない場合が多い。サイバーセキュリティの対応が欠落していることに加え、コスト削減と市場指向モデルの効率化を混同していることにより、サイバー攻撃を受ける危険性は高まっているという。 例えば米ウォールストリートジャーナルは5月下旬、悪質なハッカーが複数の米国エネルギー企業
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