X-37計画の歴史 ところで、米空軍はなぜこのような宇宙機を持つことになったのだろうか。 X-37計画はもともと、1999年に米航空宇宙局(NASA)主導の計画として立ち上げられた。当時NASAは、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)と共同で、スペース・ローンチ・イニシアティヴ(Space Launch Initiative)と名付けられた計画を進めていた。これは次世代のスペースシャトルや、高性能な新型ロケットエンジンを開発するという野心的な計画で、X-37はその一環として検討されていた。同年中にはボーイングとの間で最初の契約も交わされている。 まず最初に、X-37の約90%の大きさの試験機X-40Aが造られ、1999年から2001年にかけて、NASAドライデン飛行研究センター(現在のアームストロング飛行研究センター)で滑空飛行試験が実施された。これにより、X-37の大気圏内の飛行