海外に広がる小林製薬の「熱さまシート」――成功の裏に何が起きていた?:仕事をしたら“1億8000万枚”売れた(1/6 ページ) 「熱が出たらタオルを水で濡らして絞り、額に置く。『水まくら』や『氷のう』で頭を冷やす」――。その昔、風邪をひいて熱が出たときには、このような対応をしていたはず。しかし、20年ほど前に登場したある商品によって、冷たいタオルや水まくらを手放した人も多いだろう。その商品とは「冷却ジェルシート」(以下、冷却シート)だ。 国内の冷却シート市場は47億円と言われているが、大阪に本社を置く小林製薬は53%のシェア(2013年4月~2014年3月)を維持する。国内では競合他社を大きく引き離し、さらに海外でも「熱さまシート」がじわじわ人気を集めているのだ。 日本で「熱さまシート」が発売されたのは1994年のこと。海外展開はその2年後の1996年、香港からスタートした。その後、東南ア