サイエンスも社会問題も。カギを握るのが「深海」 生命起源、地球外生命、巨大地震、メタンハイドレート、レアアース、海洋酸性化、生態系、生物多様性、海洋プラスチック……。 いずれも重要なサイエンスや社会的な課題のキーワードです。これらは、いずれも「深海」と深く結びついています。むしろ、「深海」を理解しないと、これらのサイエンスや社会的課題の解決は進みません。
ブルーバックスの話題書『海と陸をつなぐ進化論』著者、須藤斎氏(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻准教授)による野心的エッセイ。 数十メートルにおよぶクジラの進化に多大な影響を及ぼした、1ミリメートルに満たない「ある生物」とは? 執筆にも研究にも共通するもの 似ていないようで似ているもの──ふだんはほとんどすることのない、「一般向けの本を書く」という時間を過ごすなかで、「研究」と「本を書く」という作業には、どこか通底する部分があるものだなと痛感している。 私は、化石をもとに生物の進化のありようを探る研究者だ。これまで研究を続けてきて、たとえば、わざわざ北極まで行ったのに、目的とする化石のサンプルを採れなかったなど、思うような成果を出せないことも多かった。研究の道は、決して一直線ではない。 このほど上梓した『海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化』(講談社ブル
海から眺める人類史を一冊にした本で、海好きにはたまらない内容だ。海については、生活・科学・文化・物流・軍事などの様々な視点から数多くの書籍が出版されているが、これまで海の歴史を網羅的かつ包括的にまとめた書物はほとんどなかった。今回その壮大な歴史をまとめあげたのが、知の巨人ジャック・アタリ。壮大な世界観の歴史書を書かせれば彼ほどの適任者はいない。 本書は、130億年前の宇宙と水の誕生という地球科学から始まり、動物や人類の誕生という生物史、ローマ帝国や中国王朝という権力者による海の支配史、蒸気船やコンテナ船という海を舞台にしたビジネスイノベーション、海を中心に広がる環境汚染問題と多岐にわたる題材を取り扱う。それぞれのトピックで一冊の本が仕上がるほどの内容が、一冊に詰まっているのだ。 「人類の将来にとってより重要なのは、宇宙の探査よりも海だ」と著者は強調する。たしかに本書のように海という視点から
夏の海開きシーズンになると「サメが海水浴場に出没した」というニュースがたびたび報じられます。サメと聞くと、人は反射的に、「わ、危険生物!」とモンスターが現れたかのように恐れおののきますが、ちょっと待って。その「サメ=人を襲うモンスター」というのは実は大きな間違いなのです。 世界でたったひとりの「シャークジャーナリスト」の沼口麻子氏は、地球上を旅していろんなサメと出会った直接体験をもとに『ほほ命がけサメ図鑑』を著しました。沼口氏は断言します!「「人食いザメは存在しません」。サメへの誤解や偏見を解き、サメの「冤罪」を晴らします。 サメから見たら人はカメ サメは警戒心の強い生きものです。 日常で自然界に生きるサメに近づくことは難しく、万が一遭遇しても、こちらが何もしなければ、まず襲われることはありません。 スピルバーグ監督の大ヒット映画『ジョーズ』では、ホホジロザメが観光客でごった返す海水浴場に
壊血病にかかると、皮膚に潰瘍が発生し、歯茎は化膿し、古傷が開く。写真は、アフリカのジブチで病院に運ばれる壊血病患者。(PHOTOGRAPH BY AP) マゼランやクックといった航海者たちが世界の海を制した大航海時代。ヨーロッパに巨万の富と英知をもたらした一方で、多大な犠牲を強いられることにもなった。この時代、壊血病によって命を落とした船乗りの数は、米国の南北戦争で死んだ兵士の3倍以上に及んだという。(参考記事:「コロンブスの町、崩壊の原因は壊血病か」) 体と精神の両方をむしばむこの恐ろしい病は、新鮮な果物や野菜不足による恒常的なビタミンCの欠乏によって引き起こされることが今ではわかっている。しかしジョナサン・ラム氏は、最新の著書『Scurvy: The Disease of Discovery(壊血病:大航海の病)』の中で、数百年もの間、誰ひとりとして、病気の原因にたどり着くことができな
世界中の海洋学者が注目する理由とは? わずか8000年前まで生物の棲めない“死の海”だった日本海。 生命の宝庫へと変貌した背景には、最下層にひそむ、厚さ1000メートルにおよぶ「謎の水」の存在があった。この海特有の海水は、なぜ生まれたのか? そして、環境変化を先取りする「ミニ海洋」の異名をもつこの海に、いま生じつつある大きな異変とは? 「母なる海」が発する警告の謎に迫り、その知られざる姿を解き明かす、海洋科学ミステリー。 プロローグ ぼくたちの住む日本列島と、その北西側に広がる日本海とは、切っても切れない〝強い絆〟で結ばれています。 小松左京による空想科学小説に『日本沈没』(1973年刊行)があります。日本列島周辺の地殻・マントルに大規模な異変が起こり、日本列島がそっくり海に沈んでしまう話です。上・下巻あわせて約400万部という空前のベストセラーとなり、1973年と2006年の二度にわたっ
リンク コニカミノルタプラザ “海底散歩”暗闇の中で美世界に出会う ~超・深海展2014~ | コニカミノルタ 本展は、深海について学べる「Learning Zone」と、深海を疑似体験できる「Feeling Zone」の2つのZoneで構成されています。高圧・低温・暗闇という深海の環境が創り出した地上とは異なる世界を、この機会にぜひご覧ください。また、期間中にはさかなクントークショーも開催いたします。
世界最速のスイマーであるバショウカジキは時速100キロ以上で弾丸のように海を飛ばす。マグロも負けず劣らず、時速80キロでびゅんびゅん泳ぐ。シャチは時速70キロで前進するし、ペンギンは時速60キロですいすいと海を渡る――。 以上の話は子ども向けの図鑑などでしばしば見られる、海の動物たちの「真実」である。流線形の体とアスリートのような筋肉をしたカジキやマグロやシャチは、驚くほどうまく水中生活に適応しており、まるで高速道路をはしる車のようなスピードで大海原をびゅんびゅん泳ぐとされる。 ところがどっこい、である。海洋生物学者である私は、実際にバショウカジキの遊泳スピードを海で計測した科学論文を調べてみたところ、平均スピードは時速2キロと知った。いや書き間違えではない。20キロでも200キロでもなく、2キロ。ちょうどお年寄りの散歩くらいのスピードで「世界最速」のバショウカジキは泳ぐ。 ちなみにマグロ
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樋口真嗣監督、弐瓶勉氏ら、名だたるクリエイターが大絶賛した海洋SF大作!! 「かつて星野之宣先生や山下いくと先生がビジュアル化してきた海中メカニックの進化系を怜悧な筆致によって文章のみで執拗に描破している。圧倒的想像力によって命を宿したイクチオイドの動く姿を見てみたい!」 樋口真嗣氏(映画監督) 「本当に面白いし大傑作だと思う。ついに人型兵器の有用性が証明されてしまった……そうか深海だったのか。小説ならではの圧倒的な情報量で表現された有人大型人型機動兵器が活躍。大好物です。」 弐瓶勉氏(漫画家) 『ハイドゥナン』『鯨の王』。海洋小説の第一人者が満を持して描く、巨弾SFシリーズ!! 21世紀後半。人類は未だ闘っていたーー深い海の底で機体(イクチオイド)を駆って。 世界のエンタメを変える、海洋ロボットSF登場!! <世界> 21世紀後半、海中の様々な環境に適応するため、肉体や遺伝子を改造した人
♪じゃあむすてっく、じゃむすてっく、じゃむじゃむじゃむじゃむじゃーむすてーーっくっ♪ 自作のJAMSTECのテーマが頭のなかを流れ続けている。暑さでおかしくなったのではない(たぶん)。もうすぐ、HONZでは「大人の社会科見学」としてJAMSTECの横須賀本部に行くのである。これが浮かれずにいられようか。 JAMSTECって何? と思った方。そういう方のためにこのブックガイドを用意した。まずはなんといってもこちらの本だ。 JAMSTECに入り、有人潜水調査船しんかい6500のパイロットを目指す女性を描いた小説……って、いきなりフィクションを紹介してしまってすみません。しかし、著者は、深海探査に関して、JAMSTECの全面協力を得て実に詳しく取材しており、おそらく研究者やそれを支える人たちの気持ちまで、リアルに描かれていると思われる。潜水調査船制作の技術継承の危機の話(しんかい6500も、もう
このところ、深海がブームだ。 今年一月に、NHKが深海に棲む幻の巨大イカ・ダイオウイカの生きた姿を放映し、視聴率一六・八%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の反響を呼んだのに続き、七月からはそれに関連して国立科学博物館で深海展が開催される。ダイオウイカのフィギュアストラップのついた前売り券は発売後すぐに完売したというから、人気の高さがうかがえる。 このたび筆者は『日本の深海』(講談社ブルーバックス)を刊行した。このことをまずは感謝したい。加えて、数年前から準備して執筆してきた本書を、期せずしてこのような時期に刊行できることを大変嬉しく思っている。 日本の領土面積は世界第六一位にすぎないが、領海と排他的経済水域(EEZ)を含めた海の面積は領土の約一二倍、世界第六位である。これは海の関係者の間でよくいわれることで、海洋立国を標榜する根拠のひとつとなっている。 なかでも今回筆者が注目したのは、日本
現存する深海生物を萌え系美少女イラストでまさかの擬人化! 解説は深海生物王の北村雄一先生! 深海の生物がこんなに可愛いわけがない? 深海の生物ががこんなに可愛いわけがない!? 現存する深海生物を萌え系美少女イラストでまさかの擬人化! 形態、生態、大きさなど、深海生物81種を完全解説! 深海度、サイズ、認知度などオリジナルチャートやリアルイメージも網羅。これ以上キュートに描けない!? 北村雄一氏全面監修のもと30人の絵師が果敢に擬人化! 81種のDEEP SEA GIRLSが登場! 硫化鉄の戦士…スケーリーフット/いつかキミの営みを知りたい…アンノウンスクイッド/長きいでたち乙姫さま…リュウグウノツカイ/トンガってワルそう小さな娘…オニキンメ/海溝の下のポニョ…シンカイクサウオ などなど コラムも充実:食べられている深海生物/深海と発光生物/分類とその用語など7本 オンライン書店で購入する
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